Book Zazen

書評を中心に自分の好きなことを詰め込んだブログ、光明を失った人生について書き残しておきます。日本でのアニマルウェルフェアの推進に賛成します。

「子供」時代の終焉ー令和二年九月二十七日(日)晴れ

「子供」時代の終焉ー令和二年九月二十七日(日)晴れ 永井均氏の本 永井均氏の本を初めて買ったのは、高校時代だった。 『ウィトゲンシュタイン入門』で独我論に触れられていて、新鮮だった。 国語の時間、教科書に隠して、この新書本を読んでいた。 こうい…

鹿島茂氏の回想記事ー令和二年九月二十六日(土)

鹿島茂氏の回想記事ー令和二年九月二十六日(土) 日経の夕刊文化欄、「こころの玉手箱」はフランス文学者の鹿島茂氏の回想だった。 仏文好きになりかかっている私にとって、時宜にかなった記事だった。 内容は本好きにとって、役に立つ話しだ。 会員記事だ…

藤原書店ブッククラブ入ると得なのか?ー令和2年9月13日(日)

藤原書店ブッククラブ入ると得なのか?ー令和2年9月13日(日) 藤原書店と言えば、1989年に創立ながらも、フランスの歴史家ブローデルや、その影響を受けた社会科学者のウォーラーステイン(「世界史システム論」で有名)、我が国で言えば、後藤新平関連の著…

書評③・福田和也氏『奇妙な廃墟ーフランスにおける反近代主義の系譜とコラボトゥール』(国書刊行会、平成元年) 第二章 モーリス・バレス

書評③・福田和也氏『奇妙な廃墟ーフランスにおける反近代主義の系譜とコラボトゥール』(国書刊行会、平成元年) 第二章 モーリス・バレス 書評③・福田和也氏『奇妙な廃墟ーフランスにおける反近代主義の系譜とコラボトゥール』(国書刊行会、平成元年) 第…

死神ーブッダ『感興のことば』 令和二年八月十六(日)猛暑

死神ーブッダ『感興のことば』 令和二年八月十六(日)猛暑 ブッダ『感興のことば』 「花を摘むのに夢中になっている人が、未だ望みを果たさないうちに、死神がかれを征服する。 花を摘むのに夢中になっている人が、まだ財産が集まらないうちに、死神がかれ…

英語のススメ:ルーシー ヒューズ=ハレット(Lucy Hughes‐Hallett)の"THE PIKE" (『ダンヌンツィオ 誘惑のファシスト』)ー令和二年八月十四日(金)晴れ

英語のススメ:ルーシー ヒューズ=ハレット(Lucy Hughes‐Hallett)の"THE PIKE"(『ダンヌンツィオ 誘惑のファシスト』)ー令和二年八月十四日(金)晴れ ダンヌンツィオの伝記 ダンヌンツィオの伝記を手に入れた。イタリア人の伝記なので、日本語版で読む…

書評②・福田和也氏『奇妙な廃墟ーフランスにおける反近代主義の系譜とコラボトゥール』(国書刊行会、平成元年) 第一章 アルチュール・ド・ゴビノーについて

書評②・福田和也氏『奇妙な廃墟ーフランスにおける反近代主義の系譜とコラボトゥール』(国書刊行会、平成元年) 第一章 アルチュール・ド・ゴビノーについて 書評②・福田和也氏『奇妙な廃墟ーフランスにおける反近代主義の系譜とコラボトゥール』(国書刊行…

中島らも氏『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』(集英社文庫、1997年) 令和二年八月二日(日)晴れ

中島らも氏『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』(集英社文庫、1997年) 令和二年八月二日(日)晴れ 休日を利用して、福田和也氏の著作をまとめようとしていたが、まとめきれなかったので、休憩に中島らも氏の『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』(集英社文…

書評・福田和也氏『奇妙な廃墟ーフランスにおける反近代主義の系譜とコラボトゥール』(国書刊行会、平成元年)① 序について

書評・福田和也氏『奇妙な廃墟ーフランスにおける反近代主義の系譜とコラボトゥール』(国書刊行会、平成元年)① 序について Book review, Kazuya Fukuda "Strange Ruins: Genealogy and Collaboration of Anti-modernism in France" (Kokusho Publishing, 1…

祝!累計10000人突破(Grand Total Over10000 PV for 3 years)!ーこれからの抱負みたいなー令和二年七月十九日(日)

祝!累計10000人突破!ーこれからの抱負みたいなー令和二年七月十九日(日) 祝!累計10000人突破! いつもご覧いただき、ありがとうございます。 Grand Total Over10000 PV for 3 years. Thank you for reading us. 約3年前、日常生活のどうしようもなさか…

「渋い声」か、それとも「老人の読経」かそれが問題だーボブ・ディラン『ラフ&ロウディ・ウェイズ』ー令和二年七月十八日(土)

「渋い声」か、それとも「老人の読経」かそれが問題だーボブ・ディラン『ラフ&ロウディ・ウェイズ』ー令和二年七月十八日(土) 昔、聴いていた洋楽のアーティストを久しぶりに購入することはないだろうか? 去年は、アリス・イン・チェインズの『レーニア・…

エズラ・パウンド、ダンヌンツィオ、三島由紀夫ー断捨離の後悔、筒井康隆氏『ダンヌンツィオに夢中』の場合ー令和二年七月十二日(日)

エズラ・パウンド、ダンヌンツィオ、三島由紀夫ー断捨離の後悔、筒井康隆氏『ダンヌンツィオに夢中』の場合ー令和二年七月十二日(日)) 人生の節目、節目に本の断捨離を行って来たことは、以前に書きました。 関連記事:カテゴリー「断捨離」を参照してい…

子規の散種ーリチャード・ライトについて ( 『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス』の記事より)-令和二年七月四日(土)

子規の散種ーリチャード・ライトについて ( 『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス』の記事より)-令和二年七月四日(土) 前回、正岡子規の弟子であり、「慢性憂国患者」であった五百木良三(瓢亭)について書かれた松本健一氏の著作を紹介した。五百…

「悪名」の追認ー松本健一氏『昭和史を陰で動かした男』令和二年六月二十七日(土)★★☆☆☆

松本健一氏『昭和史を陰で動かした男ー忘れられたアジテーター五百木瓢亭』(新潮社、2012年)★★☆☆☆ 子規庵 松本健一氏の本であるし、新潮選書であるし、落ち着いた深緑の装丁であるし、何と言っても主題は正岡子規が嘱望した第一の弟子であり、頭山満の衣鉢…

入り身ー『次代へつなぐ 葦津珍彦の精神と思想』ー令和二年六年四日(金)

入り身ー『次代へつなぐ 葦津珍彦の精神と思想』ー令和二年六年四日(金) 「本を読むときに普通の人との読み方と違ふのは、彼は「この場に俺がゐたら、俺ならどうするか」という思ひといふか、問ひを常に抱いて読んでゐた」(『次代へつなぐ 葦津珍彦の精神…

今週手に入れた本・『昭和史を陰で動かした男ー忘れられたアジテーター五百木瓢亭』ー令和二年五月三十日(土)

今週手に入れた本・『昭和史を陰で動かした男ー忘れられたアジテーター五百木瓢亭』ほかー令和二年五月三十日(土) 今週手に入れた本・『昭和史を陰で動かした男ー忘れられたアジテーター五百木瓢亭』ほかー令和二年五月三十日(土) 松本健一氏『昭和史を…

福本和夫氏の田口卯吉評ー福本和夫氏『私の辞書論』(河出書房新社、1977年)よりー令和二年五月八日(金)

福本和夫氏の田口卯吉像ー福本和夫氏『私の辞書論』よりー令和二年五月八日(金) 福本和夫氏と言えば、戦前の共産主義、マルクス主義者として有名だ。 その人物と私にどんな接点があるというのか? 私は10代の頃に、立花隆氏の『日本共産党の研究』の第一巻…

田口卯吉による東海散士『佳人之奇遇』評ー令和二年五月三日(日)

田口卯吉による東海散士『佳人之奇遇』評ー令和二年五月三日(日) 田口卯吉の肖像(「近代日本人の肖像」より) 田口卯吉は、明治の経世家で、幕府の儒者・佐藤一斎の孫の子にあたる。卯吉の祖父慎左衛門は、佐藤一斎の長男なのだが、胆力のある豪の者だっ…

柴四朗とウラービー:山内昌之氏『近代イスラームの挑戦』より 令和二年四月三十日(木)

柴四朗とウラービー:山内昌之氏『近代イスラームの挑戦』より 令和二年四月三十日(木) 歴史家の山内昌之氏の著作『近代イスラームの挑戦』(中公文庫、2016年。原著は1996年)にも柴四朗とウラービー(アラービーともいう)の会見のことが載っている。 ウ…

歴史家ニュートンのことーRob Iliffeの"Newton"ー令和二年四月二十八日(火)晴れ

歴史家ニュートンのことーRob Iliffeの"Newton"ー令和二年四月二十八日(火)晴れ 私とニュートンって接点がなさそうだと思うだろう。その通りだ(笑)。 昔、小山慶太氏の本でケインズがニュートンの遺稿を競り落としたとかという話か何かで、ニュートンの…

紹介・臼杵陽氏『「中東」の世界史』(作品社、2018年)★★★★☆ー令和2年4月18日(土)

臼杵陽氏『「中東」の世界史』(作品社、2018年)★★★★☆ー令和2年4月18日(土) 今回は臼杵陽(うすき あきら)氏『「中東」の世界史』(作品社、2018年)の「第3章 植民地化への抵抗運動」を紹介したい。「原理主義」の探求過程で、臼杵氏の『原理主義』(岩…

発端としてのイスラムー呉智英氏『封建主義者かく語りき』の序ついてー令和2年4月16日(木)

発端としてのイスラムー呉智英『封建主義者かく語りき』の序ついてー令和2年4月16日(木) いつも記事を読んでいただきありがとうございます。 Thank you for reading the articles of my blog. 昨年の御代替わりの陽気が、嘘のような世界になってしまいまし…

横田貴之氏『イスラームを知る10 原理主義の潮流 ムスリム同胞団』(山川出版社、2009年) 令和二年四月十二日(日)

横田貴之氏『イスラームを知る10 原理主義の潮流 ムスリム同胞団』(山川出版社、2009年) 原理主義の潮流 ムスリム同胞団 (イスラームを知る) [ 横田貴之 ]価格: 1320 円楽天で詳細を見る 原理主義の潮流―ムスリム同胞団 (イスラームを知る) 作者:横田 貴…

大恐慌・企業倒産・自殺リスク・社会的バッシングー令和2年4月1日(水)

大恐慌・企業倒産・自殺リスク・社会的バッシングー令和2年4月1日(水) 昨月は、おかげ様で600アクセスを超えました。感謝。 でも、新型肺炎のことで世の中の調子がおかしくなっているよね。 志村けんさんご冥福をお祈りいたします。 (暗い世相を明るくす…

紹介ー池内恵氏著「約束の地と堕落した女ーアラブ知識人の見たアメリカ」-令和2年3月14日(土)

紹介ー池内恵氏著「約束の地と堕落した女ーアラブ知識人の見たアメリカ」-令和2年3月14日(土) 明治以降の日本の思想を考えるときに、無視出来ない文化圏がイスラムである。 大学・大学院時代の私の念頭に常にあったのは、なぜ日本の大学(例えば法学部)…

相川七瀬さん大学進学おめでとうございます!國學院大学神道文化学部っていいな(笑)令和2年3月15日(日)

相川七瀬さん大学進学おめでとうございます!國學院大学神道文化学部っていいな(笑)令和2年3月15日(日) 相川七瀬さんが高卒認定試験を経て、國學院大学神道文化学部に進学するとのこと。 まずは大学進学おめでとうございます。 私も高校中退し、大検(現…

デルモア・シュワルツって誰? 令和2年3月7日(土)晴れ

デルモア・シュワルツって誰? 令和元年3月7日(土)晴れ スパイクリーの『ブラック・クランズマン』を観て、もう少し様々なラインナップでアフリカ系アメリカ人のことを見たいと思い副島隆彦氏の『現代メリカ政治思想の大研究』の第8章の「黒人イスラム勢力…

スパイク・リー監督『ブラック・クランズマン』ー令和二年二月二十九日(土)小雨

スパイク・リー監督『ブラック・クランズマン』ー令和二年二月二十九日(土)小雨 コロナで外出自粛気味(コロナ感染の「社会的コスト」を含めてのこと。)のこの週末、スパイク・リー監督『ブラック・クランズマン』を観た。映画監督スパイク・リーの作品を…

論語「暴虎馮河して死して悔いなき者は」ー令和2年2月24日(月)晴れ

論語「暴虎馮河して死して悔いなき者は」ー令和2年2月24日(月)晴れ 「子の曰わく、暴虎馮河(ぼうこひょうか)して死して悔いなき者は、吾(わ)れ与(とも)にせざるなり。必ずや事に臨みて懼(おそ)れ、謀(ぼう)を好みて成さん者なり」(述而一〇) …

FreeStyle Philosophy 5 VEINの動画 モッシュについて 令和2年2月23日(日)晴れ

今回はPhilosophy(哲学)というより法律や安全の話である。 news.nicovideo.jp www.youtube.com(自分は2:56あたりのサウンドが好きだ)。 最近、Youtubeでハードコア系のライブ映像配信"hate5six"をよく見ている。 このチャンネルで、ハードコアバンド"Ve…