Book Zazen

書評を中心に自分の好きなことを詰め込んだブログ、光明を失った人生について書き残しておきます。

デルモア・シュワルツって誰? 令和2年3月7日(土)晴れ

 デルモア・シュワルツって誰? 令和元年3月7日(土)晴れ

 

スパイクリーの『ブラック・クランズマン』を観て、もう少し様々なラインナップでアフリカ系アメリカ人のことを見たいと思い副島隆彦氏の『現代メリカ政治思想の大研究』の第8章の「黒人イスラム勢力の動向」、第9章「左翼知識人と急進左翼運動の現在」を再読した。

Louis  Farrakhan、Jesse Jacksonなどの他に、リベラルな立場に距離を置くようになったアフリカ系アメリカ人の思想家や学者、言論人などの名前が挙がっていた。

 

元々リベラル派だったけど、リバータリアン保守に近くなった人々として以下の人名が挙がっている。

William Rasberry

「ウィリアム・ラズベリーは、黒人でありながらリベラル派からリバータリアン派に行移行した珍しい評論家と言ってよい」(副島隆彦氏『現代メリカ政治思想の大研究』筑摩書房、1995年、220頁)

Kenneth Clarke

Thomas Sowell

Robert Woodson

Walter Williams

 

「80年代に入ると、黒人若者層の間でラップ音楽(ヒップ・ホップ)が隆盛する。ほとんどが「パブリック・エネミーPublic Enemyに代表される、「白人の警官どもをブッ殺せ」というようなぶっそうな内容の音楽だから、白人文化と衝突し、白人ロックンローラーたちとさえ政治的対立状況に入ってゆく」(副島、226頁)

 

私はPublic Enemyについては,2枚のアルバムを持っていただけだし、聴かなくなって長いこと経つから、細かく覚えていない。だからそんな歌詞があったのかも知れない。

あるいは副島氏はPEのことを言ったのではなく、そういうラップという音楽があるとだけ言いたかったのかも知れない。

 

これは本文とは関係なく、単なる曲の紹介。

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1995年ぐらいに問題となっていたのは、俳優としても活躍するアイス・キューブIce Cubeエミネムとのコラボでよく知られたドクター・ドレDr. Dre、すでに亡くなったEazy-Eらを輩出したN.W.Aというラップグループの


N.W.A Something 2 Dance 2 (HQ)

 

アルバム中の"Fuck Da Police"という曲だった。

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あるいは、やはり俳優としても活躍するラッパーICE-Tが結成したヘヴィーメタル・バンドBody Count(CD持っていたが処分した)の"Cop Killer"などであったと思う。

www.youtube.com全部見てないし、字幕がないと聴き取れないが、やはり社会問題化していたことが今からでも分かる動画です。


ICE-T (Bodycount) A Current Affair Interview 1992

 

==本題==

めっちゃ話がそれたが、今回話したいことは第9章「左翼知識人と急進左翼運動の現在」にニューヨーク左翼知識人を集めた言論雑誌『パルチザンレビュー』Partisan Reviewの仲間として名が挙がっていたデルモア・シュワルツ(235頁)。

 

マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』(2001年12月号)の「坪内祐三 いつも読書中」という特集に触れた際、デルモア・シュワルツって誰?みたいなことを書いてしまったが、坪内氏が翻訳したシュワルツの「スクリーノ」の直後に坪内氏による解説があったことを忘れていた。

book-zazen.hatenablog.com『鳩よ!』(2001年12月号)58頁の「必敗者 デルモア・シュワルツ」よ

 

・デルモア・シュワルツは、ロッカーのルー・リードのシラキース大学時代の先生だった。

その関係をルーリードはアルバム『ブルーマスク』に収録されている「マイ・ハウス」に歌っているという。

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 英語の歌詞だけども、Genius Lyricsを見ればある程度分かるだろう。

genius.com

ベルベット・アンダーグラウンドならば「ヨーロッパの息子」がデルモア・シュワルツに捧げられたものだという。

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ソール・ベローの『フンボルトの贈り物』に「シュワルツの神話性」なるものを知る手がかりがあるそうだ。

坪内氏によると、1937年12月のパルチザン・レビューの復刊第一号に短編「夢のなかで責任が始まる」が寄稿され、同タイトルの短編集『夢のなかで責任が始まる』の中に、今回坪内氏が翻訳した「スクリーノ」が収録されていたとのこと。

*『アメリカ文学必須用語辞典』(松柏社、2010年)

「パーティザン・レヴュー」の項目:

「ウィリアム・フィリップスとフィリップ・ラーヴによって1934年に創刊され、二人が1969年まで編集した『パーティザン・レヴュー』誌は、当初共産党との関係が明白であったが、1938年に正式に袂を分かった後も左翼の立場を維持した」。

「詩や散文、文芸批評だけでなく政治的な記事や社会的な記事も掲載している」。

「デルモア・シュウォーツ(1913-66)ガ1943年から1955年まで共同編集者を務めた」。

寄稿者には、ナボコフスーザン・ソンタグらも入っているようだ。

 

 

 ・シュワルツは、1966年にNYの安ホテルのゴミ箱に頭を突っ込んで死んでいたんだって(何それ!?)。

 

・そのほか、鮎川信夫氏がこの「スクリーノ」にインスパイアされて「必敗者」を書いたんだって。

 

とりあえず、坪内氏の解説をまとめると、こんな感じ。

 

一時期すごいインテリ系左翼ミュージシャンが苦手だったけど、一山超えていいなと思うものもある。この曲なんかもいいよね。なんかアメリカっぽい。子供の頃、週末に家族で見ていて洋画劇場みたいな。全然違うのに。涙が出るね。


Lou Reed - Walk on the Wild Side (audio)

 

底に流れているウッドベースのような音は、Q-TIP率いるラップグループ"Tribe Called Quest"の"Can I kick it"と同じだが、元ネタは知らない。

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これも16歳の夏頃に聴いていた曲。

 

以上、アメリカの音楽と文学についての雑学。大したことないけど、吐き出しておいたので、興味がある方はチェックしてね。

 

私の課題

副島氏には毀誉褒貶があることは知っているが、『現代アメリカ政治思想の大研究』の続編を書いてみたい。