日本の思想
本日購入した本ー内村鑑三『キリスト信徒のなぐさめ』 (岩波文庫、1939年)令和5年2月16日(木)寒い 「「不敬事件」により苛烈な批判を受けた内村鑑三(1861-1930)は、さらに重病、失業、愛妻の死、極貧、信仰共同体からの疎隔という幾重もの苦難に襲われ…
大杉栄の吉野作造評(というか酷評)『大杉栄評論集』よりー令和5年1月28日(土)雪 「吉野先生は個人的自由を徹底的に進めれば無政府主義になるから悪いという。しかし先生は無政府主義がなぜ悪いかということについては一言もいわない。」(『大杉栄評論集…
本日購入した本ー中村天風&大杉栄 令和5年1月26日(木)寒い 連日、電車の遅延が発生します。中には何時間も電車に閉じ込められた人もいるよね。持病がある人、トイレに行きたい人、密集して時間を過ごすのが苦手な人はつらい。 こんなことが平然と起こる日本…
年越し中村天風ー『幸福なる人生』令和4年12月31日(土) 「追い詰められたとき、生きる道を見出す時間が待ちきれなくなって、大抵は自分の命を落としてしまうようなばかげたことをやっちうまうんです。」(『幸福なる人生』PHP、2011年、184頁) 院生時代には友…
吉村昭『白い航跡』ー令和4年9月10日(土) 暑さ少し和らぐ 本日届いた本について。 戦(いくさ)での負傷兵。滅多に描かれないし、戦功を建てた人物に目が行きかち。でも、圧倒的に負傷兵の方が多い。 江戸から明治にあたりの医師に関する物語は、司馬遼太郎…
維新道楽紀行 飛騨高山篇⑥ 高山陣屋~飛騨護国神社 令和4年8月20日(日)晴れ 維新道楽紀行 飛騨高山篇⑥ 高山陣屋~飛騨護国神社 令和4年8月20日(日)晴れ 高山陣屋 鎧武者 山岡鉄舟 ホテルを9時頃出て、駅に荷物を預けた。 晴れていたから、マツモトキヨシでパ…
維新道楽紀行 飛騨高山篇⑤ 高山駅~高山代官所 令和4年8月20日(日)晴れ 維新道楽紀行 飛騨高山篇⑤ 高山駅~高山代官所 令和4年8月20日(日)晴れ 1.高山駅前 2.高山代官所 1.高山駅前 昨日とは打って変わって、快晴の高山市駅前。 ホテルをのんびり目に…
維新道楽紀行①「飛騨高山」ー令和4年8月19日(土)雨 今年のお盆休みは、縁あって岐阜県高山市に行ってきた。 日常生活に戻った今も余韻が残っている。 「維新道楽紀行」と銘打ったが、鹿児島や萩のように歴史的興味だけで行ったのではない。自分を見つめ直す…
今日買った本 ー佐伯啓思氏『経済学の方法』& 布袋バンドスコア&『富岡鉄斎 大田垣蓮月』令和4年8月7日(日)酷暑 月一のお出かけでした。 今日買った本 『富岡鉄斎 大田垣蓮月』(新学社、2007年) 近代浪漫派文庫。保田與重郎の文庫本シリーズが出てい…
今週買った本ー岡本隆司『曾国藩ー英雄と中国史』(岩波書店、2022年)ー令和4年7月23日(土)晴れ 岡本隆司『曾国藩』 購入動機 私が清末の政治家・曾国藩をはっきり意識したのは、安岡正篤氏の『東洋思想と人物』(明徳出版社、平成十一年)によってであった(…
葦津珍彦氏の『永遠の維新者』令和4年5月7日(土)晴れ やあ!今年のGWは令和改元の時のような、嬉しさが少しだけだけど戻ったよね。潮干狩りで喜んでいる子供のニュースを見てそう思ったよ。 葦津珍彦氏の『永遠の維新者』令和4年5月7日(土)晴れ 本題 <…
は!?汎神論ですか・・・。令和4年4月6日(水) 最近のVRやメタの出現によって、新聞にデビッド・チャーマーズのインタビューが載っていたから、久しぶりに興味を持った。 自分は培養器の中の脳ではないのかというのは、永井均氏の『翔太と猫のインサイトの夏…
アンセムが欲しいー鐵槌(SLEDGEHAMMER)「儚き花」を聴くー令和四年一月二日(日) www.youtube.com アンセムが欲しいと思ったことはないだろうか? アンセムとは、代表曲や国歌(ナショナル・アンセム)などのように、自分たちを代表するかのような歌のこ…
正法眼蔵の参考書についてー西谷啓治著作集よりー令和三年十二月十七日(金)雨のちくもり 前回、正法眼蔵を読んでいないのに、死んでいくのかという夢の話をした。 そして、道元から人生論を引き出した本を紹介した。 その後、思い出したのだが、西谷啓治(…
「生きていけない」と悩むのは人間だけー夢の旧作ー令和三年十二月十三日(月) 「この大自然の中で「生きていけない」といって悩んでいるのは、人間だけだ」 (14「落ちこぼれること」を恐れないー仏道の身心は、風雨水火なり<発菩提心>、境野勝悟『道元…
エエカゲン派の数学史ー森毅氏『森毅の学問のススメ』ー令和三年十一月二十二日(月)雨 エエカゲン派の数学史ー森毅氏『森毅の学問のススメ』ー令和三年十一月二十二日(月)雨 『森毅の学問のススメ』(筑摩文庫、1994年。原著は1985年刊行) ルネサンスあ…
養老孟司氏『AI支配でヒトは死ぬ』ー本日買ったものー令和三年十月三日(日)夏のような晴れ 養老孟司氏『AI支配でヒトは死ぬ』 滞事を一掃し、新たなことにも取り組んでいる今日この頃。 朝から動いていました。 さて、先日「表現者クライテリオン」のHPを…
「酔生夢死の生涯をおくるなかれ」ー平田精耕『禅からの発想ー自由自在に生きる』ー令和三年八月二十六日(木) 「一つの道に、あるいは一つの仕事に阿難のごとく二十年、三十年と打ち込む。そうして苦労に苦労を重ねてこそ初めて一つのことが身につくのです…
三浦雅士氏『身体の零度―何が近代を成立させたか』ー令和三年七月三十一日(土)酷暑 「古代文化のなかでは、競技がつねに神に捧げられた祝祭の一部をなし、幸をもたらす神聖な儀礼として、不可欠なものとされていた。この祭祀との関連が、現代のスポーツで…
読書中ー今野元氏『吉野作造と上杉愼吉ー日独戦争から大正デモクラシーへ』(名古屋大学出版会、2018年) 「上杉愼吉や穂積八束ら没落した「神権学派」の奇行を冷笑するといった流儀では、日本近代史研究は深まらない」(6頁) 著者の今野氏は、マックス・ウ…
軍師の心構えー『松翁論語』 令和三年五月二十三日(日)晴れ 「立派な軍略を立てたら、それを大将に進言して、これを用いさせなければならない。つまり、用いさせる方法にも、軍略と同じだけの価値がある。」(『松翁論語』PHP研究所、2005年、214頁) 子供…
「事上磨錬」ーこれからの目標ー令和3年4月21日(水)晴れ 「事上磨錬」ーこれからの目標ー令和3年4月21日(水)晴れ 三島由紀夫「革命哲学としての陽明学」(『行動学入門』文春文庫、1974年所収) 山田準『陽明學講話』明徳出版社、平成九年 まとめ 晴…
「位なきを患へず、立つ所以を患へよ」ー安岡正篤『朝の論語』より 令和三年四月五日(月) 「子曰く、位なきを患へず。立つ所以を患へよ。己を知らるること莫きを患へず。知らるべきを為すことを求めよ」(『論語』里仁第四) 5年ぶりの苦境に立たされてい…
本物に触れたい ー『男爵山川先生遺稿』 令和三年四月三日(土)くもり 本物に触れたい ー『男爵山川先生遺稿』 令和三年四月三日(土)くもり はじめに 「マルクス主義は科学にあらず」 1.科学とは何か 2.天体力学の導入 3.海王星の予言に見る科学の特色 4.…
日本のために日本だけを見ていてはいけないー副島隆彦氏『アメリカ騒乱に動揺しながらも中国の世界支配は進む』(ビジネス社、2021年) 副島隆彦氏の本を買ったのは久しぶりだ。私は、毀誉褒貶があっても副島氏の「覇権」系の本には学ぶ点があると考えている…
『<仏教3.0>を哲学する』を読書中ですー令和二年十二月三十日(水) 藤田一照・永井均・山下良道氏らの鼎談本『<仏教3.0>を哲学する』(春秋社、2016年)を読み進めています。 マインドフルネスなどが有名になって、前々から気になってはいた。でも、強…
今月の月刊誌ー令和二年十二月二十二日(火) *エズラ・ヴォーゲル氏のご冥福をお祈りいたします。 関連記事:このシンポジウムのトイレで、ヴォーゲル氏を真近で見ました。 book-zazen.hatenablog.com 仕事と家の往復で何もできていない毎日。 新聞を見て…
現代の「聖人」ー呉智英と永井均のクロスオーバー 令和二年十一月二十九日(日) お気に入りの著者がクロスオーバーしてほしいと思ったことはないだろうか? 私にとって思想家・呉智英氏と哲学者・永井均氏とが、同じ論文について論じたことは、お互いの名前…
「いわゆる「進歩的」な考えを抱いているものが進歩的なことをいうのは当たり前で、誰にも遠慮はいらないが、進歩主義への気がねから進歩的なことをいい、それを読んだものが、気がねに更に気がねをして、いわば進歩主義言論の拡大再生産を行うようなことに…
書評③・福田和也氏『奇妙な廃墟ーフランスにおける反近代主義の系譜とコラボトゥール』(国書刊行会、平成元年) 第二章 モーリス・バレス 書評③・福田和也氏『奇妙な廃墟ーフランスにおける反近代主義の系譜とコラボトゥール』(国書刊行会、平成元年) 第…