Book Zazen

書評を中心に自分の好きなことを詰め込んだブログ、光明を失った人生について書き残しておきます。日本でのアニマルウェルフェアの推進に賛成します。

本日買った本ーシン=トゥン・ヤウ、スティーブ・ネイディス『宇宙の隠れた形を解き明かした数学者ーカラビ予想からポアンカレ予想まで』)令和5年3月26日(日)

本日買った本ーシン=トゥン・ヤウ、スティーブ・ネイディス『宇宙の隠れた形を解き明かした数学者ーカラビ予想からポアンカレ予想まで』)令和5年3月26日(日)雨

 

昔、ブライアン・グリーンの『エレガントな宇宙』(草思社、2001年)を読んだとき、「カラビーヤウ空間、カラビーヤウ図形」という用語が出て来た。

「カラビーヤウ空間、カラビーヤウ図形」について、巻末の用語解説は下記のように説明している。

「ひも理論に必要な余分な空間次元が巻き上げあられている空間(図形)。ひも理論の方程式と矛盾しない」(566(9)頁)

 

『エレガントな宇宙』を読んでから、やっぱり20年ぐらい経つのだろうか。何も理解していない自分を思い、数学者シン=トゥン・ヤウの学問的自伝を購入した。

 

ヤウは1949年に生まれた。中国の広東省東部の汕頭市の出身で、香港中文大学を経て、カリフォルニア大学バークレー校で博士号を取得し、ハーバード大学の教授となった。1982年には数学の最高峰フィールズ賞を受賞した中国出身の数学者だ。

 

我々は日本人のノーベル賞には大騒ぎするが、世界にどのような頭脳が存在するのか探求を怠りがちだ。

 

大学図書館にもなかった(Why?)ので、購入した。

少しでも、現代の物理学が扱っている話題を知ることができるようにと願って。

Good Night!

 

 

今日買った本ー原島鮮『初等量子力学』(裳華房、1986年改訂版)令和5年3月20日(月)

今日買った本ー原島鮮『初等量子力学』(裳華房、1986年改訂版)令和5年3月20日(月)

 

 

すっかり暖かくなってきましたね。

将来に向けて動いている今日この頃。将来と言っても、あと少しだが。

若いころに達成できなかった事柄を考える日々。

死ぬまでにやり遂げねばならないことの1つが、物理学を思う存分楽しむこと。

 

最近、北原和夫氏の『プリゴジンの考えてきたこと』(岩波化学ライブラリー67 1999年)で「スピン」という概念を直観的に説明している文を読んだ。

 

「磁石については、昔からいろいろと考えられてきた、そして、物質が原子・分子からなることがわかった今日では、磁石をつくる原子の一個一個にそのもととなる性質が備わっていると考えられるようになった。その性質のことをスピンと呼ぶ。」(55頁)

「スピンは方向性をもった性質で、要するに、一個一個の原子が磁石だと思えばよい。スピンそのものは量子力学がかかわっている非常に抽象的な量なので、ここでスピンを厳密に定義することはしない。」(同頁)

 

「スピン」がプリゴジンの考え方を理解する上で、大事だというとのことだ。

 

そういえば、20年前にブルーバックス竹内薫氏の本などを読み始めたあの時から、ずっと理解できずに放置していた領域だ。

 

気になってはいたが、数式まじりの教科書を追っていくことができず、いつしか20年も経過してしまった。

 

子供の時に、火曜ワイドサスペンスなどで「20年前の~」でなどというセリフがあったとき、気の長い話だなと思っていたが、いつのまにか自分もそんな年齢になってしまった。

 

今やっていることが最優先だが、今日はその小休止の日。

定評のある原島鮮氏の『初等量子力学』で、死ぬまでに量子力学を理解したい。

以上、Good Night!

 

 

 

本日購入した本ー内村鑑三『キリスト信徒のなぐさめ』 令和5年2月16日(木)

本日購入した本ー内村鑑三『キリスト信徒のなぐさめ』 (岩波文庫、1939年)令和5年2月16日(木)寒い

 

「「不敬事件」により苛烈な批判を受けた内村鑑三(1861-1930)は、さらに重病、失業、愛妻の死、極貧、信仰共同体からの疎隔という幾重もの苦難に襲われる。そうした逆境からの自己の再生を綴った本書は万人に「なぐさめ」のありかたを示す」(岩波文庫表紙より)

 

『代表的日本人』は知っている人も多いかと思う。『余はいかにしてキリスト信徒となりしか』のタイトルを知っている人も多いと思う。でも『キリスト信徒のなぐさめ』は、読んだことがない人の方が多いと思う。だって自分はキリスト教徒じゃないからというのが理由だろう。

 

私もキリスト教徒ではないが、内村の『ヨブ記講話』を再読していて急に本書が読みたくなった。

 

目次

第一章 愛する者の失せし時

第二章 国人に捨てられし時

第三章 キリスト教会に捨てられし時

第四章 事業に失敗せし時

第五章 貧に迫りし時

第六章 不治の病に罹りし時

 

第六章以外は私にも当てはまる。(キリスト教徒ではないが、自分の「信仰共同体」には捨てられたと思っている。)

最大限尊敬する内村にもこんな苦しみがあったんだ。

自己の再生を目指していたんだ。

俺も自己の再生を図りたいという気持ちで、噛みしめるように読んで行きたい。

Good Night!

 

"ANARCHISM" Alex Prichardー本日買った本ー令和5年1月29日(日)寒い

"ANARCHISM" Alex Prichardー本日買った本ー令和5年1月29日(日)寒い

 

本書で論じられるのはアナーキズムに対する先入観(テロ、カオス、性善説、無秩序、暴力性、ユートピア)、各国のアナーキズム、現代のアナーキズムアナーキズムと公共財(保健、治安、労働、教育)、世界政治(気候変動問題も含む)などである。パンク・ミュージックやグランジとの関連、クラッシュ、クラス、デッド・ケネディーズ(ボーカルのジェロ・ビアフラが1979年にサンフランシスコの市長選に出たこともp.55にも言及あり)、ブラック・フラッグニルヴァーナなどへの言及がわずかながらある(p.51)。

映画やマンガへの言及の中で、アナーキスト・ポップ・カルチャーとして"Ghost in the shell"の名も挙げられている。その他アナーキズムと関連のあるたくさんの人物と作品の名が挙がっている。

まだ届いて間もないから、大して読めていないが、本書はオックスフォード出版のA Very Short Introduction(岩波新書中公新書みたいな)のNo.116である。元来Colin Ward氏が書いていたが、今回Alex Prochard氏のものに変わっていた。著者はイングランド南西部の名門大学エクスター大学の国際関係論の准教授(Associate Professor)である。

 

読んで見て、気になったからまた書きます・・・・。

Good Night!

 

過去記事:デッド・ケネディーズに関する過去記事。

もう何を書いたのか忘れたが(笑)、良かったら参照して見てください。デッド・ケネディーズ関連の持ち物を書いたのだったと思う。ヒッピーのグレイトフル・デッドじゃないよ。ハードコア・パンクデッド・ケネディーズだよ。

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大杉栄の吉野作造評(というか酷評)『大杉栄評論集』よりー令和5年1月28日(土)雪

大杉栄吉野作造評(というか酷評)『大杉栄評論集』よりー令和5年1月28日(土)雪

「吉野先生は個人的自由を徹底的に進めれば無政府主義になるから悪いという。しかし先生は無政府主義がなぜ悪いかということについては一言もいわない。」(『大杉栄評論集』(岩波文庫、p.155))

 

少し前に、本当に欲しいものってないよねって書いたことがある。でも40代にして、大杉栄の本がいろいろと欲しくなった。もう一度俺の中の社会思想が目覚め始めた。でも全集や著作集を買うと、人生が重くなる。神出鬼没が大杉栄の印象だよね。それに見合った態度を貫きたい。だから今はこの文庫本で我慢する。思想の本を読み始めたあの頃のように。

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大杉栄「盲の手引きをする盲ー吉野博士の民主主義堕落論」(『文明批評』一巻二号,

一九一八年二月号)

大杉栄吉野作造も、いまの「保守」や「右派」が距離を置く相手だろう。でも、二人は異なっているのである。大杉は「無政府主義者」で、吉野は「民本主義者」だからという名称の問題などではない。本論を読むと、大杉は吉野とは根本的に相容れない人物であることが分かるだろう。

 

大杉は、一九一八年『中央公論』(一月号)に載ったかの有名な吉野作造の論文「民本主義の本義を説いて再び憲政有終の美を済すの途を論ず」を標的にして、吉野を含む政治学者で新聞や雑誌に寄稿するような人物たちの言論について、「僕らはまず僕らの要求に応じて現れて来たこの新政治理論に対して、すぐさまその外観だけに惚れこまずに、果たしてそれがほんとうに僕らの要求にぴったりと合うものであるかどうかを調べて見なくちゃならん」という。(p.145)

大杉にとって不満なのは、吉野が無政府主義について先天的に害悪としているくせに、本物の政治論を展開しているような態度を取っていることである。

「吉野先生は個人的自由を徹底的に進めれば無政府主義になるから悪いという。しかし先生は無政府主義がなぜ悪いかということについては一言もいわない。」(p.155)

結論として大杉は、吉野に代表されるような政治学者を批判する。

「そんな科学的政治学や科学的政治学者は、人間として目覚めかけた僕らの要求には一文の値打ちもないものである事だけを、大声疾呼しておく」(p.157)

 

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