素敵な人ー加古隆さん(加古隆50thアニヴァーサリーコンサートより) 令和5年5月20日(土)晴れ
NHKのドキュメンタリー「映像の世紀 バタフライエフェクト」は、私の目から見ても良くできている。
貴重な映像、エピソード、そして映像音楽のシリアスさ。
「バタフライエフェクト」きっかけで加古隆さん(以下、敬称略。)を調べると、東京藝術大学を卒業、フランスの政府留学生としてパリ国立高等音楽院で作曲を学ぶ。巨匠オリヴィエ・メシアンに師事する。
*メシアンという名前は知っていたが、それは呉智英がある文脈で「なぜ、O・メシアンの『トゥーランガリラ交響曲』はやらないのか」と書いていたからである。(『封建主義者かく語りき』史輝出版、1991年、p.159)
思想家や研究者に似ている人生を歩まれた方なのだなと思った。そしてフランスはいまも現代思想でも現代音楽の震源地なのだとも思った。
そして今年デビュー50周年ということで第1部「巴里の日」「ポエジー」、第2部「クァルテットの誕生」「映像の世紀~パリは燃えているか」でコンサートが行われるというではないか。
第一部は、ピアノソロ。
写真の会場を加古さんが歩いて来る。みんな拍手。
「巴里の日」
・ナイトミュージック~夜明け~アンツーチトン通り11番地
*メドレー形式で演奏された。
・ピアノ曲集「クレー」より
秋を告げる使者
冬の山
Part2 「ポエジー」
・ポエジー
*イングランド民謡の「グリーンスリーブス」が聴こえてくる。
加古氏いわく「シンプルなメロディーが大事だと気が付いた曲」。思想のテーゼは、シンプルでないといけないと思った。たとえが、宗教でも大部のお経を読むことができない民衆に僧侶が「南無阿弥陀仏」や「南無妙法蓮華経」を唱えておけば救われると要約し布教したように。
・ジブラルタルの嵐
・湖沼の伝説
ここで20分の休憩。CD販売の出店に行ってみる。周りのみなの関心も高かった。買いたかったけど、現金対応のみだった。こういう物販会場でも、カード決済ができたらいいなと思った。
第2部
ここからはクァルテット。加古さんのピアノに加え、相川麻里子さんのヴァイオリン、南かおりさんのヴィオラ、そして植木昭雄さんのチェロが加わる。相川さん、南さんは東京藝術大学出身とのこと。
Part3
・風のワルツ
・白い巨頭
*迫力のある低音。ドラマのテーマ曲という先入観を加古さんは覆す。
・それぞれの海
・ハ短調「幻影」
Part4
・ザ・サード・ワールド
・睡蓮のアトリエ
*モネの映像を見て作曲したという。
アンコール
拍手
感想
約2時間の演奏だった。
加古さんは素敵な人。歩き方、お礼の仕方。どれもチャーミング。
「デビューから50年」「健康でいられて、好きなことができた」「ここまで来られたのは関係者のみなさんと、ファンのみなさんのおかげ」
いまブレイキングダウン8のオーデイションが有名だが、こういう歩みで自分の才能を開花させていた人がいることを知って欲しいと思って、この記事を書いた。
どこにも気負った姿勢がなく、どこにも気取ったところがなく、人に感動を与え、自分を活かし、人を活かす。
社会の要請にも応え、自らの才能も開花させる素敵な人が私にとっての加古隆さんなのである。
私のこれからの課題
・メシアンのことをもっと調べる事。
思想で言うと、アレクサンドル・コジェーブみたいな役割を果たした人なのだろうか。
あらためてフランスの影響力には感服する。でも負けたくない。
・現代音楽のことを調べること。
*メシアンに関する本は1冊1冊が高いな。買えないよ。CDにしようかな、、、。
★今日は本当に夢のような時間だった。人生であと何回こうい気持ちに出会えるだろう。そんなことを考えながら、コンサート会場を後にした。