Book Zazen

書評を中心に自分の好きなことを詰め込んだブログ、光明を失った人生について書き残しておきます。日本でのアニマルウェルフェアの推進に賛成します。

「生きていけない」と悩むのは人間だけー夢の旧作ー令和三年十二月十三日(月)

「生きていけない」と悩むのは人間だけー夢の旧作ー令和三年十二月十三日(月)

「この大自然の中で「生きていけない」といって悩んでいるのは、人間だけだ」

(14「落ちこぼれること」を恐れないー仏道の身心は、風雨水火なり<発菩提心>、境野勝悟『道元「禅」の言葉』所収)

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昨日の晩、夢を見た。

正法眼蔵」を読んでいないという夢だ。

正法眼蔵随聞記」は、いくらか読んだ。

 

でも、正法眼蔵は読んでいなかったし、ましてや禅修行などはしたことがなかった。

夢を見たことで思った。「正法眼蔵」も読まず、道元の言葉に親しむこともなく、一生を終えていくのかと。

 

何か読みたい。でも大学の研究者が書いただけのものは嫌だ。たとえ知識が豊富で、テキスト読解としては精確であったとしても、人生的な裏付けに乏しいと感じるからである。文献の研究だけがしたいのでないのである。

 

直接読むのがいいのだろうが、難しい本は読みたくない。負担になる。そこで境野勝悟『道元「禅」の言葉【「本当に大事なもの」に気づく30話】』(三笠書房、2008年)をKindle版で購入してみた。(著者はいわゆる「研究者」ではないと思うので読んでみた)

 

印象に残ったのが、冒頭の言葉。全体的に宇宙・自然との一体感を強調している内容だ。

 

現代社会では、一度落ちこぼれると生きていけないように感じるだろう。でもそうではないという。落ちこぼれても生きていけるのだ。

 

「頭の中で、「あれだ」「これだ」と理屈をこね回している自分だけが、本当の自分であると勘違いしては困る。」

「わたくしたちの身は、「風雨水火なり」なのだ」

 

つらいことがあると、生きていけないと思うことがある。

自然の一部だと信じても生きていけないと思うことがある。

宇宙の真理なんて遠すぎて、近づけないと思うことがある。

でも、あと一歩のところで立ち止まることができる言葉だった。

 

昨日の晩、「正法眼蔵」を読んでいないという夢を見た。

 

補足:Kindle版は220円で、紙よりも割安。薄い冊子だし、置き場所に困らないKindle版をおすすめします。