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書評を中心に自分の好きなことを詰め込んだブログ、光明を失った人生について書き残しておきます。日本でのアニマルウェルフェアの推進に賛成します。

本物に触れたい ー『男爵山川先生遺稿』 令和三年四月三日(土)くもり

本物に触れたい ー『男爵山川先生遺稿』 令和三年四月三日(土)くもり

 はじめに

『男爵山川先生遺稿』(大空社、2012年。昭和12年の復刊)を読む機会を得た。

 

山川健次郎(1854-1931)は、会津藩士出身で、明治に入ってイエール大学に留学し、東京帝国大学の総長、貴族院議員、枢密顧問官になった人物である。兄の山川浩が著わした、幕末の会津藩松平容保らの冤をすすいだ『京都守護職始末』(平凡社東洋文庫49・60)の実質的な編集者だという(松本健一『秋月悌二郎 老日本の面影 増補・新版』辺境社、2008年、67頁)。

*『京都守護職始末』について、神道思想家・葦津珍彦は「明治四十四年にいたってはじめて出版されたが、否定しがたい確実な資料と切々たる会津藩臣の赤誠をもって、公武一和論たりし松平容保が、いかに孝明天皇にたいして忠誠の臣でったか、また天皇がいかに容保を深く信頼せられたかといふ史実を明らかにしてゐる。」(「禁門の変前後」『葦津珍彦選集(二)』神社新報社、平成八年、90頁。この論文は『永遠の維新者』に収録されていると思うので、そちらをあたってもらいたい。)

 

薩摩出身の陸軍軍人・大山巌の妻・捨松が、山川兄弟の実の妹にあたる。かの有名な白虎隊のメンバーであったが、当時15歳であったので、除隊されたという。亡くなった隊員には親友が数名いたという(『男爵山川先生遺稿』88頁)。

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山川健次郎(「近代の日本人の肖像」より)

 

松浦光修氏の『明治維新という大業』(明成社、平成三十年)に山川健次郎の言葉が載っていた。

佐幕派と勤王派は尊皇という点で共通している(p.48)。

明治維新は、マルクス主義では解釈できない(p.69)。

共産党問題ほど重要な問題はない(p.70)。

 

そこで挙げられた文献が『男爵山川先生遺稿』だった。

 

特に興味を惹かれたのが山川健次郎のラジオ講演マルクス主義は科学にあらず」である。上記の言葉の中にはそこから引用されているものもある。

 

この講演について松浦氏は、「山川は、『共産党宣言』、『反デューリング』などを素材にして、物理学者らしく“科学的”に共産主義批判を展開しています」 と説明している。(松浦・前掲書、69頁)。

 

とはいえ、どのように議論を展開しているのかは省略されていたので、その議論の筋道を知りたかったのである。そこで以下、議論の筋道を追って見た(ナンバリングと小見出しは私がつけた。原文は正字・正かな)。

  

マルクス主義は科学にあらず」

マルクス主義は科学にあらず」は昭和4年9月1日のラジオ放送なのであるが、遺稿の内、「国本社および中央教化団体連合関係」に収められている。国本社というのは平沼騏一郎で有名だが、太田耕造らの(第一次)国本社と、平沼騏一郎らの結成した辛酉会が大正13年に結成されたものである。山川健次郎は、東郷平八郎とともに国本社の顧問になっており、国本社の人的構成の特徴は、司法関係の高級官僚、国士型の陸海高級軍人、内務省の治安関係者を中心に結成されたものであるということができる(橋川文三平沼騏一郎と国本社」(『橋川文三著作集9』所収、筑摩書房、2001年、参照)。

 

1.科学とは何か

マルクス主義者は、サン・シモン、フーリエオーウェンらを「空想的社会主義」と呼び、自分たちを「科学的社会主義」と呼んでいるが、それならば「科学とは何か」と山川は問う。

山川によると「科学」とは「一定の真理を土台として厳密な論理で得られた種々の結論の総体」のことである。

2.天体力学の導入

科学の土台には真理がある。真理とは、言葉の意味を理解するものならば、誰もが同意せざるを得ない公理のことである。例えば、「部分は全体よりも小さい」などがそれにあたる。公理とまでは言えないが、現在のところ、反証があがっていない定理も、土台となることがある。「運動の定律」(運動の法則?)「引力の定律」(万有引力の法則?)は、公理ではないが、これまでのところ経験的に反証が挙げられていないので、公理同然に扱われている。それを土台にして、天体力学=星学が作られており、肉眼では見えない天体の存在まで予言できるのである。

3.海王星の予言に見る科学の特色

ここから山川は、海王星の予言の話しを例にとり、科学の特色を説くのである。

もともと、海王星の存在は誰も知らなかった。だが、天王星の運動を研究していると、その位置が計算に合わなかった。そこで研究者らは、天王星に影響を与えている星の存在を考え、物理学の基本的な定理を用いて、複雑な計算をこなし、理論的に予言した。 

イギリス人アダムス。これとは別に海王星の研究をしたフランス人ルヴェリエーがいて、彼はアダムスと同様の結論を得たのである。ルヴェリエーの理論的予言は、天体観測により実証された。これが現在の海王星なのである。

この話を通じて、山川が説くのは、動かすことのできない基礎を土台にして、厳密な論理で結論を導く科学の特色である。

 

4.マルクス主義は科学か?

それではマルクスの説は、動かすべからざる真理と言えるのだろうか?このような意味での「科学」と名乗って良いのだろうか?

 

マルクス主義の土台は、唯物史観階級闘争論等である。

 

唯物史観について山川は、鎌倉幕府の崩壊を一部、唯物史観で解釈することは可能だと述べる。例えば、蒙古襲来による戦費の圧迫が崩壊を助長したと。しかし、その全体を唯物史観によって説明することはできないと説く。また、自己が経験した明治維新についても「我が明治維新と云ふ史実を、唯物的には如何にしても説明は出来ない」(546頁)と強調する。

マルクスの他の基本説も、完全な真理ではなく、公理同様のものではなない。

それゆえ、マルクス主義は科学ではないのである。信用を得ようとするために「科学」の仮面をかぶっているに過ぎないと批判する。にもかかわらず、マルクスの学説を真理のように尊重し、鵜呑みにし、その信者が「科学」と唱えることに異を唱えることができない日本人や、マルクス主義の土台となる命題をしっかりと吟味できないものが多いことを山川は嘆いている。

 

また、マルクスを崇拝する出版物は多いにもかかわらず、反マルクス主義の立場に立つ出版物が少ないことも指摘し、当時の出版事情を批判している。

 感想

新選組と倒幕の志士が活躍したあの幕末を経て、明治時代に物理学者・教育者として生きた会津藩士・山川健次郎によるマルクス主義批判。「マルキスト」など現代でも用いられる言葉を使っていることは興味深い。歴史の移り変わりの激しさである。

 

ここでは左派・マルクス主義者が理論的、右派・国粋主義者が没理論的、怒号的などという図式は成り立たないのである。 

 

山川健次郎は本当に人物で、貴重な存在だった。なぜこのような人物が我が国から消えて、単細胞的な政権批判だけ繰り返す学者が主流になったのだろう。返す返すも残念である。

 

出版事情

マルクス主義者・野呂栄太郎の『日本資本主義発達史』や羽仁五郎の『明治維新史研究』は、ともに岩波文庫で簡単に入手できる。私も前者は上下巻を持っているし、ざっくり流し読みしたことがある。

 

だが、山川健次郎の著作は、入手が難しい(国立国会図書館のデジタルライブラリーでは見ることができるが、大部なので岩波文庫に比べて読みにくい)。

 

書肆心水などは戦前のアジア主義者らの稀覯本まで、装丁を新たに、手に入れ安い価格で提供してくれている。杉山茂丸夢野久作の父)の本なんて、書肆心水が出版するまで入手方法が限られていた。国本社関連も復刊して欲しい。ネットを見てみると藤原書店出身の方が、立ち上げた出版社のようだ。岩波文庫の方は、大学などの研究機関に属する現代の研究者が編集し、大学でも用いられるが、書肆心水の方は、もともと大学の人文・社会系では嫌われ役・悪役として扱われている人物が多々いるし、学者・研究者による校訂・解説を経ていないので、論文に引用しにくいかも知れない。

 

山川健次郎の著作を読みたくても、読みにくいデジタルライブラリーのものを除けば、復刻本の高いものか、古本しかなく、今日の日本人には入手するすべがない。

 

思想に関心を持ち始めた現代の青少年が、岩波文庫マルクス主義者の本と、山川健次郎の本のどちらが手に取りやすいかは明らかだろう。そして山川の文書など読むことなく成長し、マルクス主義者らのいかにも「社会科学的な論文」を「高級な」知識だと思い、そのような著作物を評価する頭のクセがついていくだろう。

 

そこから形成される言論界やその状況がどのようなものになるのかは明らかである。

 

自分のやるべきことが見えているのだが、出版社をどのように立ち上げ、採算をとっていけば良いのだろうか。歴史小説のようにベストセラーになるとは考えにくい。山川健次郎のような人物に一歩でも近づきたかったのだが、その時は過ぎ去っている。

 

過去記事:書きかけのまま放置しているが、

book-zazen.hatenablog.com

 同じ会津藩出身の柴四朗については

 

book-zazen.hatenablog.com

 長岡藩出身の山本五十六については

 

 

book-zazen.hatenablog.com

 

 

心胸開拓できていないー令和三年三月二十一日(日)終日雨

心胸開拓できていないー令和三年三月二十一日(日)終日雨

 

もう寝る前になって言うのも何だが、今日一日何もできなかった。

 

先週、今週と仕事関連で忙しかったので、心胸開拓や思想系は何も進んでいない。

 

生きるため、より良い仕事に就くために駆けずり回った。電話も多かった。

 

コロナ下での失業の不安もあるから、まずは仕事のための本を優先した。

 

でも、呉智英氏が加藤博子氏(初めて知りました。)と対談している思われる『死と向き合う言葉』の購入を見送った自分が少し情けない。大型書店で見かけて、すぐに購入しようかと思ったが、仕事関連の本を優先してしまった。

 

最初に呉智英氏の本を買ったのは、16歳ぐらいのころ『賢者の誘惑』だったと思う。大友克洋氏の『AKIRA』をアルバイト代で1か月1冊ずつ購入していたあの夏が懐かしい。

もはや子供でもなければ、大学・大学院生時代ともちがう。

生活の糧を得なければならない「生活人」となってしまった。

こうやっている間に年を取るのか?

 

呉智英氏を始めとする全共闘世代の人々が、死を迎えるこの時期、何を語っているのだろうか。予算があれば、購入します。

 

おやすみ。

 

book-zazen.hatenablog.com

 

 

死と向き合う言葉

死と向き合う言葉

 

 

紀伊国屋書店 洋書バーゲンに乗り損ねる 令和三年3月13日(土)

紀伊国屋書店 洋書バーゲンに乗り損ねる 令和三年3月13日(土)

あれからもう3年も経つのか!?

所用で出かけた帰りに紀伊国屋梅田本店に寄ってみたら、洋書バーゲンがやっているではないか!

 

緊急事態宣言明けからやっていたのかな?あまり繁華街に出かけることはできなかったから、もうすっかり洋書バーゲンのことを忘れていた。

 

よし!買いまくってやろうと思っていたら、マスクずらして咳をずっとしている爺さんがいるではないか!しかも本命の人文・社会系の棚に。勘弁してくれ~。

 

ずっと隣り合わせになるのは嫌なので、今回の洋書バーゲンは諦めた。

 

買ったものを全部読むわけではないし、今は忙しいので。

 

 おやすみ。

過去記事:3年前、爆買いした洋書を電車の網棚に忘れてしまった話。

book-zazen.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

日本のために日本だけを見ていてはいけないー副島隆彦氏『アメリカ騒乱に動揺しながらも中国の世界支配は進む』(ビジネス社、2021年

日本のために日本だけを見ていてはいけないー副島隆彦氏『アメリカ騒乱に動揺しながらも中国の世界支配は進む』(ビジネス社、2021年)

 

副島隆彦氏の本を買ったのは久しぶりだ。私は、毀誉褒貶があっても副島氏の「覇権」系の本には学ぶ点があると考えている。どういう訳なのか氏の「言い切り」が私の思考を刺激するからである。とはいえ、批判的摂取なので、始めに以下のことは留保させていただく。

  

<留保>

 *アメリカ大統領選の選挙不正の真偽。

 *アポロ月面着陸否定論の真偽。

 *尖閣諸島について、田中角栄福田赳夫路線が正しかったのかについての評価。

 *香港のデモについての評価。
*その他これから読み返した際に留保したいと思ったこと。

 

  購入動機ーなぜ副島氏の「中国本」か

 日経新聞などで毎日中国の記事を読んでいても、忙しくて読み流すだけであり、まとめが欲しい時がある。他に適した本もあるだろうが、このタイミングで私は副島氏のこの本を買った。

 新聞広告に出ていたキーワードが面白かったからである。

 「核兵器半導体、5G、量子暗号、宇宙開発からスマホアプリ、エンターテインメントまで、次なる世界の中心となる「中華帝国」の実態!」、「それでも「アジア人どうし戦わず」である!」。

 もちろん副島氏が古くから、反中保守とは一線を画していたこともある。 ファーウエイ、テンセント、アリババなどが連日のように新聞を賑わす。でも現在日本の書店には「反中本」が溢れていて、正確に認識できているのか不安を感じるのである。

 

著者は様々なことを言っているが、以下記憶に残った箇所をメモする。

 

1.

中国はトランプ対バイデンの選挙戦を見て、アメリカを頂点とするような民主主義に失望している。中国はアメリカをお手本にすることをやめて、自前の思考で進もうとしている。 

重要なことはアメリアから中国へと覇権国が交代することである。そこで中国がこれからどうなるのかが問題となる。

この先、我々が進むべき道は、「アジア人どうしは戦わず」であって、日本の反共右翼のように尖閣問題で一戦構えるということではないのであるというのが著者の立場である。 

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ピルズベリー:キッシンジャーの愛弟子。『China 2049』は師キッシンジャーへの苦情。中西輝政本『アメリカ帝国衰亡論』で、ニクソン政権とキッシンジャーが「隠れ親中」だったとの記述あり(p.67)。

 ピーター・ナヴァロ:チャーマーズ・ジョンソンの薦めで中国研究を始めた。

選挙不正は英語で、"rigged election"

デルタとCIAの争いがあった。ドイツのフランクフルトのドミニオン社のサーバで?

大紀元・エポックタイム:法輪功系の新聞

イレイン・チャオ(アメリカ運輸長官。チャイナ・ロビー。親国民党。共和党ミッチ・マコーネルの妻):2019年の天皇即位式にペンス副大統領の代理として出席 

アメリカ国防総省が軍事企業に指定した35社のリスト(54-55頁)

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2.

中国は「特色のある社会主義」であるという。その中で総合体力=経済力、金融力、情報力、技術力、軍事力をつけている。

中国がマルクス主義から脱却するカギは、森嶋道夫の理論にあった。現在の中国では、能力の格差や人間の生み出す経済的価値の不平等を認めてしまっている。 

3.

本章では、中国の最先端技術が扱われる。半導体、核開発、量子力学を応用したコンピューター、暗号などである。

現在、中国の科学技術を牽引している重要人物が簡潔なプロフィールとともに写真入りで掲載されており、有益である(104頁)。海外に留学し、著名な物理学者フェルミや航空工学者カルマンなどから学んで、研究業績を残しているのである。種本は遠藤誉氏の『中国製造2025』である。

4.

続いて、テスラと国家副主席王岐山との関係、デジタル人民元習近平とアリババのジャック・マーらとの関係が扱われる。

中国が「一帯一路」やAIIB(アジアインフラ投資銀行)を通じて、大陸方面に伸びていっているのだから、尖閣だけを問題とする日本人を視野が狭いと批判する。

5.

最後にこれからの中国の姿が論じられる。著者によると、中国は現実派の上海閥習近平と理想派の共青団李克強に分かれているが、 中国は、ヨーロッパの旧王族や大貴族たちの頂点にいるイギリス王室らの「ディープステイト」に対して、アヘン戦争以来の雪辱を晴らし、覇権国となり、「欧米近代白人文明500年の繁栄」が終わろうとしている。

 

<感想>

 私にとって特に重要だったことは、以下の2点である。

 

①イギリス⇒アメリカ⇒中国と覇権が移り変わろうとしていること。

 それを副島氏は、アヘン戦争後イギリスに割譲された香港⇒アメリカとの貿易戦争⇒アメリカの失墜⇒中国のハイテクやエンタメなどの発達などを織り交ぜて、描こうとする。

 (223頁の年表では1815にイギリスがナポレオンを撃破して、第一次大戦後の1914年にアメリカが、2024年アメリカの内乱の後をうけて中国が新たな覇権国になるとしている)。

 副島氏は中国が民主化するというが、その根拠がもうひとつ分からなかった。とはいえ、次の中国のキーワードは民主化という点では中西本と変わらないと思った。

  

個別の中国の動きを見るのみならず、世界史の大きな流れを捉えている点で、有益である。

 

(ただし、香港がもともと中国の領土だったからといって、強権政治を問題なしとは言えないのではないかとは思う。それにあの運動を否定しておいて、民主化するというのもいかがなものなのだろうか。)

  

②中国のキーパーソンらの学歴・経歴があまりにも興味深かった。(104-105頁)

 核開発を主導した銭学森(1911-2009)はカルマンに師事。マンハッタン計画にも参加したという。(母方の祖母は日本人とのこと!)

銭三強(1913-1992)は「原爆の父」と呼ばれ、清華大学を卒業後、パリのキュリー研究所に留学し、マリーキュリーの娘イレーヌ・キュリーの下でウランの核分裂に成功したという。中国初の原爆実験、水爆実験にも成功したという。それから半導体業界や量子力学を研究開発し、企業を成功に導いている人の経歴も興味深い。(詳しくは遠藤誉氏の『中国製造2025の衝撃』を参照のこと。)

こんなに重要な二人を知らなかった。呉智英の読者だから薮内清やJ・ニーダムらの名前は知っていたが、やはり古い知識だ。日本が世界の中で生き残っていくには、「世界で活躍している日本人」を褒め称えるだけではダメで、ライバルとなる人物を知っておかなくてはならないなと改めて実感した。反省。猛省。これは本当に反省。

 

サッカーのワールドカップで、日本チームや世界的プレーヤーを応援するのが普通である。だが、対戦相手となるスターティングメンバーは発表されるし、「要注意人物」は「マーク」するだろう。それと同じように中国のトッププレイヤーに対しても、日本国民が正当な評価、注意、敬意を払わねばないのである。観光に来た中国人のマナーだけを問題にしたり、中国製品に偏見だけでものを言ったりしてはいけないのである。そのことが中国という相手への正確な認識を誤らせ、日本を危うくするのである。

  

今後の課題

私としては、日本が世界に対峙することになった明治時代、特に福澤諭吉の読み直しから始めてみたいと思う。また、溝口雄三氏の本などの本をまとめないといけない。

・京都学派の「世界史の理論」「近代の超克」などの見直し

石橋湛山の中国論の見直し

なども日程に挙げておきたい。

また、半導体産業の産業競争力がなぜ衰退したかなども知りたい。ここら辺は学生時代には興味をもてなかったが、社会人となってから、興味関心が湧いてきた分野だ。底辺の生活の中にも、進歩があると信じたい。

 

それにしても即位式の際の各国招待客の複雑な利害関係を考えると、天皇陛下のご苦労が偲ばれる。

 

以上、ひとまず感想を締めくくりたい。

 

最後に

わが日本が挟まれる米中両国の「覇権」を憂慮するよりも、自分の「派遣社員」ぶりを心配してたらいいのではないかという声が聞こえてきそうだが。どうかハニートラップの対象となるくらい偉くなれますように!(無理だけど)。そして、藤原紀香似のファンファン(芳芳)に狙われますように(笑)。

 

もうすぐ発売される『表現者クライテリオン』の特集は「抗中論」である。

 

さてどのような論調になっているのだろうか楽しみだ。

 

 

 

 

 

米中衝突ないしは覇権争い過去記事:

 

book-zazen.hatenablog.com

 

 

 

 「覇権」についての過去記事:

 

book-zazen.hatenablog.com

 

私の問題意識の一端については:

 

 

book-zazen.hatenablog.com

 

 明治時代ないし福澤諭吉から始めることについては

 

 

book-zazen.hatenablog.com

 

 

 

 

 

今日のため息ー令和三年二月八日(月)

今日のため息ー令和三年二月八日(月)

 

いいなー あんなものに本気で怒れる人は

いいなー 「今の考え」を根拠にできる人は

いいなー そんな理念を信じられる人は

俺にはできないそんなことは