Book Zazen

書評を中心に自分の好きなことを詰め込んだブログ、光明を失った人生について書き残しておきます。日本でのアニマルウェルフェアの推進に賛成します。

本日購入した本ー中村天風&大杉栄 令和5年1月26日(木)寒い

本日購入した本ー中村天風大杉栄 令和5年1月26日(木)寒い

 

連日、電車の遅延が発生します。中には何時間も電車に閉じ込められた人もいるよね。持病がある人、トイレに行きたい人、密集して時間を過ごすのが苦手な人はつらい。

こんなことが平然と起こる日本。

 

本日購入した本

中村天風『運命を拓く 天風瞑想録』(講談社文庫、1998年。原著は1994年刊行)

どうしても消えない不安、焦り、いらだち、憤り。

「人間というものは、浮き沈み、波の高低のあるところに生きている。晴天の日もあれば、雨の日もあれば、風の日もある。そのたびに、自分の心を苦しめていたらどうなるのか。病の時に、病にこだわれば、病に負けてしまう。」(191頁-192頁)

「運命のよくないとき、運命にこだわれば、運命に負けてしまうではないか。」(192頁)

 

大杉栄評論集』(岩波文庫、1996年)

浅羽通明氏の『アナーキズム』を読み返していて、突如読みたくなった。

高校の時、大杉の本を図書館で借りたが、影響を受けすぎるのはなぜか躊躇われた。

1つには、別の思想の系譜に興味をもっていたからであり、もう1つには直接行動の行きつく先には行きたくなかったからでもある。

40代になって周り人たちを見渡して、社会正義を全く無視し、勢力拡張だけを正義としていることに強い憤りを感じる。

「日本で一番自由に生きた人」。三島由紀夫保田與重郎も好きだ。でも大杉栄もスゴイ。アナーキズム

 

年越し中村天風ー『幸福なる人生』令和4年12月31日(土)

年越し中村天風ー『幸福なる人生』令和4年12月31日(土)

「追い詰められたとき、生きる道を見出す時間が待ちきれなくなって、大抵は自分の命を落としてしまうようなばかげたことをやっちうまうんです。」(『幸福なる人生』PHP、2011年、184頁)

 

院生時代には友人と年越し万葉集をしたことは遠い昔。

今年は昨日から中村天風の『幸福なる人生』を読んでいる。

中村天風『幸福なる人生』

動機

中村天風さんの名前はもちろん知っていたが、その影響下に入りたくなかったので近づかなかった。実業界に信奉者が多い印象があり、そのお仲間になりたくなかったからだ。

だが、ここにきて自分の心のクセのようなものが客観視できるようになり、どうしても消極的に考えてしまう自分に嫌気がさし、積極的な心を持ちたいと思い、天風さんを手に取った。

 

中心にあるメッセージ

人間はこの世に苦悩するために生まれてきたわけではない。

苦しみたくなければ、6つの力を豊富にしなければならない。

①体力、②胆力、③判断力、④断行力、⑤精力、⑥能力

身心を統一して生きていかなければならない。その方法がヨガのクンバハカ法なのである。心の積極化がすべての基礎である。

メモ

・6つの力を充実させることが大事。

・睡眠は神聖な時間であることを知れ。

・鏡を使って自分に語りかけろ。

・消極的な言葉は使うな。

・心の積極的な人と接せよ。

・何事にもベストを尽くせ。

・ファイティング・スピリットで行け!ガムシャラということだ!

・取り越し苦労をするな。

・人間いつかは死ぬ。

 

天風さんの軌跡

日露戦争時代、軍事探偵として、中国大陸に渡っていた。

火薬輸送列車に潜り込んだ話はミッション・インポッシブルみたいで秀逸(185頁以下)。

処刑されそうになった際にも、気がみなぎっていた。

にもかかわらず、日本に帰国し、病が告げられたら、しぼんでいったという。

「強かったはずの私が弱い私になってしまうとは思わなかった」(188頁)

そこで天風さんのおじに相談すると、

「男の恥さらしめ、強う持て」

と言われたのだが、これで強くなれれば何の苦労もいらない(189頁)。

そこで仏教界、キリスト界問わず、尋ね歩いたが、遂に安心は得られなかった。

ここが天風さんのすごいところなのだが、日本で得られないならということでアメリカに渡った。アメリカでも、元の自分に戻る方法は得られず、ヨーロッパにも渡ったが駄目だった。

「感覚があって生きている人間である以上、丈夫なときにだって、熱や胸苦しさを感じたことがあったに違いないのに、そのときにはちっとも気にしなかった。それが今度はわずかなことも気にするようになったのは結局心が弱ってきたからだ。それをもとのように、要らないものは感じないような人間になることはわけないと思ったが、わけないどころじゃない、これを世界に求めて、誰も教えてくれる者がなかったのであります。」(195-196頁)

もう万事休す。日本に帰ろうと思い、寄港地エジプトで出会ったカリアッパというインドの行者に連れられてインドに渡った。そこでヨガの哲学に出会い、「神経反射の調節を為し得る方法がインドにあった」(202頁)という。

そこから我々の知る天風さんが誕生するわけである。

私が天風さんに興味を惹かれるのは、軍事探偵時代の天風さんでもなく、「成功哲学」を説き、財界に信奉者をもっていた時代の天風さんでもなく、あんなに強かった自分がいつの間にかしょぼんとした自分になり、弱気になり、それを克服しようとして産みの苦しみを味わっていた時代の天風さんである。凡夫われである。

天風さんもこの時は凡夫だったのである。

凡夫我、来年こそは積極的な心を持ち、残された人生に光明を見出したい。

 

井上角五郎、海老名弾正、頭山満徳富蘇峰尾崎行雄などが登場し、人に恵まれた人生だったのだなとも思う。

 

 

 

 

 

詩「Lil Peep "Awful thing" ー永遠に俺のfavorite」2022.12.24

詩「Lil Peep "Awful thing" ー永遠に俺のfavorite」 2022.12.24

by Yohei

 


www.youtube.com

 

俺のfavorite Lil Peep

もう取り返しがつかない

俺の気持ちはあの時死んだ

あの時に殺された

 

人を傷つけて おもしろいの?

人を傷つけて うれしいの?

人を生きられなくさせて 満足なの?

 

俺の心を傷つけて満足なの?

俺の心に暴力を振るって 平気なの?

 

あの時から損して生きてきた

でも人を傷つけずに生きていこうと思った

誓った そうやって生きてきた

いつもバカにされてるけど でも俺はこの曲を知ってる

 

中2で知ったNIRVANA

中年で知ったLil Peep

 

俺のfavorite Lil Peep

彼はもう死んだ

俺は醜態をさらして生きている

 

俺の心を殺してうれしいの?

俺の心をふさいで楽しいの?

俺を生きなくさせて満足なの?

 

どうか神様 俺の心を殺さないでください。

 

 

関連記事:Lil Peepについては同じようなことを前にも書いていたよね。

book-zazen.hatenablog.com

 

 

今日借りた本ーシェリル・ミサック『真理・政治・道徳~プラグマティズムと熟慮』令和4年12月11日(日)

今日借りた本ーシェリル・ミサック『真理・政治・道徳性~プラグマティズムと熟考』令和4年12月11日(日)

Cheryl Misak, "Truth, Politics, Morality~Pragmatism and deliberation" Routledge, 2000

伊藤邦武氏の『プラグマティズム入門』(ちくま新書1165、2016年)を読んでシェリル・ミサックの著作を読んでみたくなった。

 

そもそも伊藤氏の『プラグマティズム入門』を購入した動機は、リチャード・ローティーのことを深く知るためのきっかけが欲しかったからである。

 

直近で挙げるべき理由としては、下記の過去記事において佐伯啓思氏の『経済学の方法』の中で「アメリカの哲学者リチャード・ローティーの指摘について言及し、シカゴ学派の勝利以後、アメリカでも日本でも、左翼的なマルクス主義は、経済学部から文学部へ移籍していったのである。つまり階級闘争を放棄し、ジェンダーや文化的な多様性と差異をめぐる闘争へと足場を変えていった」(佐伯啓思『経済学の方法』142頁。太字引用者)というくだりが、「今週の踊るヒット賞」であった。」と書いていた。

book-zazen.hatenablog.com

伊藤氏の上掲書においては、「少し前のプラグマティズム」として、クワイン、ローティー、パトナムらの名が挙げられており、私が永井均氏の本を読み始めた1998年あたり、勁草書房の目録を読んでいたころの名前と一致するのである。なのではあるが、アメリカの分析哲学の著作(一次文献)に親しむことなく、この年になってしまった。

 

「これからのプラグマティズム」としてブランダム、マクベスとティエルスラン、ハークとミサックの名が挙げられていた。

Cheryl Misak, "Truth, Politics, Morality~Pragmatism and deliberation" Routledge, 2000

オックスフォード大学でデイビッド・ウィギンズとハークの下で博士号を取得し、カナダのトロント大学の教授であるシェリル・ミサックの業績としては、『新しいプラグマティズム』、『ケンブリッジコンパニオン・パース』、『オックスフォードハンドブック・現代アメリカ哲学』などの編集という啓蒙的業績にのみならず、下記の2点が独自の理論展開を行ったものであるという。

 

①『真理と探究の終わり』(1st edition 1991, 2nd edition 2004)

パース理解に新生面を拓いた著作。

②『真理・政治・道徳』(2000)

彼女の真理理解から、道徳哲学や政治哲学を論じたもの。

 

私が借りたのは、②にあたる。

私が本書を借りた動機は、現代の世界情勢の中で、アメリカやイギリス、カナダなど英語圏を中心とした哲学者らは、自己の哲学からどのような政治哲学を展開しているのか知りたかったからである。

 

このあたり伊藤氏は

「今日の道徳哲学や政治哲学の構想においては、真理概念に対する強い懐疑が浸透している。民主主義体制を他の政治体制に優先する立場と認める理論にあっても、その真理や正当性についてはとりあえず判断を停止し、あくまでも手続き的な公平性に訴えると同時に歴史的な有効性についても顧慮することで、十分にその優位性を確保できるとするのが、今日のこの分野での一般的傾向である。」(258頁)

 

『正義論』は別として、その後のロールズやローティーの立場もこれにあたるという。

ミサックはこれに飽き足らないものを感じ、独自の理論展開をするという。

 

ハードカバーは約2万円、ペーパーバックでも7000円するから、いますぐには買えない。だから大学図書館で借りた。

借り出したものの、私の英語力や時間的制約でどれだけモノにできるのか分からない。

第一論文「The problem of justification」(正当化という問題)の小見出しを拾って見ると、以下のようになる。*直後の日本語は拙訳。

 

Carl Schmitt and the aim of sbustantive homogeneity

カール・シュミットと実質的同一性(?)の目的

マイケル・イグナティエフの引用あり

Rorty and the abandonment of justification

ローティーと正当化の放棄

Rawls: political, not metaphysical

ロールズによる政治的な正当化。形而上学的ではなく・・・みたいな。

Harmony and the virtues of deliberation

熟慮の調和と美徳

Habermas, Apel, and the transcendental argument

ハーバーマス、アーペルと超越論的議論

 

第一論文からカール・シュミットを扱っている。

呉智英氏の諸著作でカール・シュミットを知り、大学時代カール・シュミットの翻訳をした人物の講義も受講したことがあるが、その後、呉智英に影響を受けた人物が、独自の真理論をベースに、ロールズやローティーを批判的に考察して、自身の社会哲学を展開した日本人を私は知らないのである。私自身も何もできていないのであるが・・・。その点が情けない。

でもハーバーマスやアーペルってドイツの法哲学で扱っているし、そこに戻ったのかなという印象もあり。

 

社会正義や実践哲学のように自分がメインテーマとしてきた事柄についても、何もなすことのないまま年老いていく恐怖、いらだち、ふがいなさ。最悪。

一方で、何故日本の大学で西洋の政治思想を学ぶのかという理由も見えてくるだろう。このような認識論的な哲学の考察の上に、実践哲学が構築されて、議論がなされるという素晴らしさがあるからなのである。

 

Today 2022.11.22

Today 2022.11.22

 

朝から勉強。

散歩に行こうと思ったが、思いのほか早く日が暮れたから歩きに行けなかった。

 

今日一日、びっくりするほど誰からも連絡がない。

この世の中で誰一人俺に用事がある奴がいないってことだ。

俺に用のある奴が一人もいないのなら、生きていなくてもいいのではないか?

Today's song

ティービーワンダー「太陽の当たる場所」

14か15歳で買ったCDだったと思う。


www.youtube.com

この曲も好き。

小さい頃聴いた時には、やや歌謡曲色が強すぎて、日本のそういう世界から抜け出したいと思って、逆に海外の歌謡曲に出会ってしまったみたいな。行き過ぎたみたいな気がしてた。でも今に残る名曲。


www.youtube.com