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書評を中心に自分の好きなことを詰め込んだブログ、光明を失った人生について書き残しておきます。

津田出のことー令和元年5月29日(水)晴れ

津田出のことー令和元年5月29日(水)晴れ

 

 

岡崎久彦北岡伸一坂本多加雄氏らの鼎談『日本人の歴史観ー黒船来航から集団的自衛権まで』(文春新書1043、2015年)を読んでいたら、代表的な新英米派の外交官・岡崎久彦氏が自分を反薩長史観の持ち主であると規定したうえで、明治維新後の徴兵制は、紀州藩の津田出(つだ いずる)によって発案されたものであると指摘している。

 

明治維新の代表的な政策である徴兵制は薩長による新政府のイニシアティブではなく、陸奥宗光開明的な蘭学者、津田出を用いて紀州和歌山藩で行った平成改革がきっかけになってできたものと思います」(15頁)。

 

岡崎氏は、陸奥宗光のいとこの岡崎邦輔(貴族院議員)の子孫であるという。津田も元老院議官や貴族院議員を務めた人物だ。

 

私は特に薩長に反感を抱いていないし、いだく必要もないと思う。純粋な薩長史観の持ち主などは、そう多くないはず。別に明治維新以後の施策がすべて薩長から出てきたは思っていなかったし、薩長土以外の人物史に特別詳しくなくても「薩長史観」なるものを強固に持っている人がどれぐらいいるのか、そもそも分からない。紀州に限らず、会津藩のことだって、歴史小説や評論、歴史ドラマなどで既に描かれている以上、薩長史観なるものが今日、どれだけ純粋な形で勢力を保っているのか分からない。

 

その証拠に、私は安岡正篤人間学のすすめ』(福村出版、1987年)によって、明治維新前後の紀州藩、中でも岡崎邦輔、津田出の重要性を知っていた。

 

「日本の徴兵制度はこの人(津田)がつくったのであります。とくに当時は派手なフランスの陸軍を模倣しておったのでありますが、これに質実なドイツ風を導きいれたのは、この津田さんであります」(199頁)

 

西郷南洲(隆盛)も大久保東甲(利通)も木戸松菊(孝允)も、この津田さんには大いに敬意を表しております」(199頁)

 

 

安岡正篤氏の『人間学のすすめ』は、「郷学」の重要性、江戸時代にそれぞれの藩で神・儒・仏の中で鍛えられた学徳兼備の人物が描かれており、我々の祖先のことを知りたい人におすすめできる講演集である。

 

 

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仕事帰りに公園を散歩。子供の頃から、散歩した公園。思い出がいくつも重なって脳裏をよぎる。夕陽を眺めながら、灰になるその日まで、俺の心を癒してくれ。