Book Zazen

書評を中心に自分の好きなことを詰め込んだブログ、光明を失った人生について書き残しておきます。日本でのアニマルウェルフェアの推進に賛成します。

源流紀行 三 メモ 本居宣長記念館にて 令和五年七月七日(金)晴れ

源流紀行 三 本居宣長記念館 令和五年七月七日(金)晴れ

 

私が館内でモレスキンにメモをした言葉と補足から:

大日本天下四海画図(本居宣長記念館掲示による)

1.本を読む

本を読む事を恥じない。

2.北村季吟

源氏物語湖月抄も読んでいないし、読む雰囲気の形成ができていない。

ゆっくり古文に親しめたのは、大学受験の時期ぐらいだ。

3.和歌

宣長は同級生から非難されても、和歌が好きだった。

私は音楽が好きだ。それでいい。

4.契沖

伝記以外、未読。呉智英の本で知った足立巻一『やちまた』を再読すれば、何か得られるかもしれないな。

5.賀茂真淵

岩波文庫の国意考を読んだのみ。内容は記憶になくなっている。

6.冠辞考

万葉集などの枕詞の解説。

7.「師説でも誤りだとおもったら訂正するべきだ」

日本の学問は、師の説に服するだけのものではないのである。

8.医業(漢方医)で家族を養っていた。

朝は仕事、夜は学問をしていたという。

『玉勝間』には、仕事の話は少ないという。仕事と学問を分けていたと考えられる。

9.字はきれいな方がいい。

10.紀州徳川治宝

現代の和歌山には、宣長記念館のように紀州国学所の記念館がなかった(以前に私が行った限り)。

11.外国のたばこ

宣長は外国産のたばこを吸っていたという。当時の物産を描いてみたい。

12.桜

山田孝雄の『櫻史』が講談社学術文庫から出ていたが、買わずじまいで品切れ中だ。小林秀雄の『本居宣長』を持っているから、今度は通読しよう。

13.地球一覧図(三橋釣客)

石見藩の弟子の小篠敏と海外について話をしてたいたとか。

石見も銀山関連で海外への視線があったのだろうか?

14.神宮神官・荒木経雅

これから神宮に行きます。

15.うひ山ぶみ

宣長が書いた学問に入門書。もう内容を忘れてしまった。もう一度、もう一度。何度でも。

16.和名類聚抄

昔の百科事典。こういうものも40代でちゃんと読もう。50年代には持ち越さない。

17.鈴屋新撰名目目録

宣長は七十二歳になっても、言葉への関心を持ち続けた。

18.漢籍も読む。

19.日本書紀

途中まで無理やり読んだ。いつかちゃんと読む。

20.直毘霊(なほびのみたま)

日本独自の価値。ちゃんと読む。

21.古へよりも後世のまされる事(玉勝間より)

眼鏡を例にあげていた。しっかり考えること。

22.知識と不思議のバランス

→展示の言葉。なかなか良い。熊沢蕃山へ反論したらしい。調べること。

23.天文図説

仏教的世界観よりも、西洋天文学を支持。

 

まとめ:

☆日々の勉強に手を抜かない。結局、それに尽きる。

☆40代でしっかりやることはやる。

☆知的好奇心を恥じない。

源流紀行 二 松阪~本居宣長記念館 令和五年七月七日(金)晴れ

源流紀行 二 松阪~本居宣長記念館 令和五年七月七日(金)晴れ

 

朝早く起きて、松阪へ向かう。

普段行かない駅で通勤・通学する人々を観察できた。

松阪駅

午前、松阪到着。これで4~5回目。

駅前にも見覚えがある。来週は松阪の祇園祭らしく、その日に来ても良かったのだが、今回は静かに源流を訪ねたい。だから源流紀行と名付けた。

松阪駅

松阪駅で注意していただきたいのは、写真はJRだが改札を入って、橋を渡ると近鉄線が走っている点だ。近鉄線の方が、列車の数は多いので、移動の際に考慮に入れてほしい。

 

本居宣長記念館

ここに来たのは20代の初め、最後に来たのは約10年前。その間にずいぶんと低空飛行になったな。

駅から歩いて15分ぐらいだったと記憶しているが、メッチャ道を間違えている。さっきの大通りを右に曲がるべきであった。

でも、普段は来ることがない町を歩いて、面白いとは思った。

朝からやっているからあげの店、皇学館の学生が道徳の授業をする塾などがあった。

でも元来た道を戻り、肉料理で有名な和田金を通り、市役所方面へ。お城跡にたどり着き、内部へ。発掘調査をしているらしく、年配の作業員がたくさんいた。

松阪城址

*松阪城址は市民病院の横であり、非常に車が多いので、ここを渡らないこと。もう少し右に行くと横断歩道があるので、そこを利用しないと、どこからも車が来る。

本居宣長記念館(庭園の入り口)

説明書


約10年前の本居宣長記念館よりもずっときれいになっていた。

本居宣長記念館(正面入口)

平日の10時頃だったので、前には年配の男性が二人のみ。

受付横には新たに購入した資料を展示するスペースがあるなど館内は以前よりきれいになっており、少し見たあと2階の展示室に上った。

 

源流紀行 令和五年七月七日(金)晴れ

源流紀行 令和五年七月七日(金)晴れ

 

今日、松阪~伊勢に日帰りで旅行した。

約10年ぶりだ。

行って良かった。

自分の学問の源流、初志を思い出した。

大人になってから、伊勢方面には4,5回訪れたと思う。

最後に行ってから、ずいぶん自分の立場も変化したけど、20代からの志しを再確認できて、有意義な旅だった。

これから少し、そんな内容を書いて行きたい。

赤福

 

 

素敵な人ー加古隆さん(加古隆50thアニヴァーサリーコンサートより) 令和5年5月20日(土)晴れ

素敵な人ー加古隆さん(加古隆50thアニヴァーサリーコンサートより) 令和5年5月20日(土)晴れ

いずみホール

NHKのドキュメンタリー「映像の世紀 バタフライエフェクト」は、私の目から見ても良くできている。

貴重な映像、エピソード、そして映像音楽のシリアスさ。

バタフライエフェクト」きっかけで加古隆さん(以下、敬称略。)を調べると、東京藝術大学を卒業、フランスの政府留学生としてパリ国立高等音楽院で作曲を学ぶ。巨匠オリヴィエ・メシアンに師事する。

メシアンという名前は知っていたが、それは呉智英がある文脈で「なぜ、O・メシアンの『トゥーランガリラ交響曲』はやらないのか」と書いていたからである。(『封建主義者かく語りき』史輝出版、1991年、p.159)

 

思想家や研究者に似ている人生を歩まれた方なのだなと思った。そしてフランスはいまも現代思想でも現代音楽の震源地なのだとも思った。

そして今年デビュー50周年ということで第1部「巴里の日」「ポエジー」、第2部「クァルテットの誕生」「映像の世紀パリは燃えているか」でコンサートが行われるというではないか。

 

第一部は、ピアノソロ

写真の会場を加古さんが歩いて来る。みんな拍手。

「巴里の日」

・ナイトミュージック~夜明け~アンツーチトン通り11番地

*メドレー形式で演奏された。

ピアノ曲集「クレー」より

秋を告げる使者

冬の山

Part2 「ポエジー

・ポエジー

イングランド民謡の「グリーンスリーブス」が聴こえてくる。
加古氏いわく「シンプルなメロディーが大事だと気が付いた曲」。思想のテーゼは、シンプルでないといけないと思った。たとえが、宗教でも大部のお経を読むことができない民衆に僧侶が「南無阿弥陀仏」や「南無妙法蓮華経」を唱えておけば救われると要約し布教したように。

ジブラルタルの嵐

・湖沼の伝説


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ここで20分の休憩。CD販売の出店に行ってみる。周りのみなの関心も高かった。買いたかったけど、現金対応のみだった。こういう物販会場でも、カード決済ができたらいいなと思った。

 

第2部

ここからはクァルテット。加古さんのピアノに加え、相川麻里子さんのヴァイオリン、南かおりさんのヴィオラ、そして植木昭雄さんのチェロが加わる。相川さん、南さんは東京藝術大学出身とのこと。

Part3

・風のワルツ

・白い巨頭

*迫力のある低音。ドラマのテーマ曲という先入観を加古さんは覆す。


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・それぞれの海

ハ短調「幻影」

Part4

パリは燃えているか

ザ・サード・ワールド

・睡蓮のアトリエ

*モネの映像を見て作曲したという。

パリは燃えているか


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アンコール

拍手

感想

約2時間の演奏だった。

加古さんは素敵な人。歩き方、お礼の仕方。どれもチャーミング。

「デビューから50年」「健康でいられて、好きなことができた」「ここまで来られたのは関係者のみなさんと、ファンのみなさんのおかげ」

いまブレイキングダウン8のオーデイションが有名だが、こういう歩みで自分の才能を開花させていた人がいることを知って欲しいと思って、この記事を書いた。

どこにも気負った姿勢がなく、どこにも気取ったところがなく、人に感動を与え、自分を活かし、人を活かす。

社会の要請にも応え、自らの才能も開花させる素敵な人が私にとっての加古隆さんなのである。

 

私のこれからの課題

メシアンのことをもっと調べる事。

思想で言うと、アレクサンドル・コジェーブみたいな役割を果たした人なのだろうか。

あらためてフランスの影響力には感服する。でも負けたくない。

・現代音楽のことを調べること。

*メシアンに関する本は1冊1冊が高いな。買えないよ。CDにしようかな、、、。

 

 

★今日は本当に夢のような時間だった。人生であと何回こうい気持ちに出会えるだろう。そんなことを考えながら、コンサート会場を後にした。

感動したドラマ "First Time Felon" 2023.5.5

感動したドラマ "First Time Felon" 2023.5.5

 

久しぶりに感動した。

オマー・エップス主演の"First Time Felon"(1997、HBO)

 

シカゴのスラムで育った青年グレッグ・ヤンスの話。

刑務所に5年行くか、120日間のブートキャンプに行くかを選択する。ブートキャンプは軍隊式の矯正プログラムで、勝手気ままに生きてきた青年にとってはつらい。

やがて1993年の大洪水で救援活動をしたことがきっかけとなり、更生のきっかけを掴む。キャンプを卒業し、実社会に戻ったが、世間の風当たりは厳しい。友人は銃で撃たれるような環境。どこに面接に行っても、採用されない。金持ちの男が女性を射止める。

気力も体力も尽きて、ふきだまりのアパートの一室で、自殺を図る。あと一歩で自分を撃つところだった。でも、ブートキャンプで経験したことが心の支えになって、もう一度やってみようと思った。

 

そして都市部、スラム街の青年カウンセラーになったということだ。

 

アメリカのこういう映画は好きだ。

 


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