尾崎豊「いつになれば 俺は這い上がれるだろう」ー令和元年11月23日(土)
尾崎豊「いつになれば 俺は這い上がれるだろう」ー令和元年11月23日(土)
尾崎豊で有名な曲と言えば、「I LOVE YOU」「卒業」「15の夜」であろうが、「シェリー」も負けず劣らず有名な曲なのである。
尾崎豊 - シェリー(アルバムの収録曲は、もう少しテンポが早い)
シェリー いつになれば 俺は這い上がれるだろう
シェリー どこに行けば 俺はたどりつけるだろう
(Words by 尾崎豊 from the album "Tropic of Graduation")
中学校の時、ヤンキーが尾崎が好きがということで(BOOWY世代は3年ぐらい上のイメージかな?)、この曲を口ずさんでいたことを覚えている。でも、犯罪にまで手を染めてしまう彼らと、音楽に救いを求めていた私との心の距離は遠かった。たとえ同級生であってもそうなのである。そういうはみだし方に意味があるとは思えなかったし、今も思えない。
シェリー 俺は転がり続けて こんなとこにたどりついた
シェリー 俺はあせりすぎたのか むやみに何もかも 捨てちまったけれど
俺もそうだ。本当に転がり続けてきた。
自分の信念に従って、様々なことを切り捨てて来た。
その結果、いまの生活がある。
今から昔にタイムスリップしたとしても、俺の考え方、感じ方が変わらない限り、こうなる運命だっただろう。そのことに後悔はない。俺は、自分の信念が嫌いではないし、この感受性は気に入っている。
でも、その運命の結果がこれとは。ああ。
避けられない運命だったのか!?
比叡山で千日回峰行を二度までも満行した酒井雄哉氏は、「不幸は幸せになる前兆」(『ムダなことなどひとつもない』PHP研究所、2011年所収)と題された節の中で言う。
「世の中の流れっていうものも、その時ダメだからといって、ずっと変わらないことはないんだな。」(236頁)
鹿屋の特攻隊基地で敗戦を迎えて、そのあと職を転々として40歳まで本当にぶらぶらしてい酒井さん。本当にぶらぶらしている。
「変化することが自然の鉄則だから、今が悪くても、太陽や地球が、回っているのと同じように、いい時が必ずめぐってくるんじゃないのかな。」(236頁)
本当かな。悪い予感しかしないけど・・・・。
「不幸だとが苦労しているということは、前向きに幸せになる前兆なんだからね。」(236頁)
お金についてもそういうことを言っていたよね。本当にそうだったらいいのだけれども。
「今の自分を大切にして、コツコツ、コツコツとやっていけば、必ず道は拓けるんだよね」(237頁)
部分的にはできていることもあるけれども。本当に部分的にだけど。
「それには十年かかるか、二十年かかるかわからないけど、生涯を通してみれば、最後の帳尻がしっかりあっていれば、それが一番いいんだな。その間、上がったり下がったりするのが人生なんだから」(237頁)
がーん。あと10年も待てないよ。
さようなら。
中学校の時に聴いていた尾崎豊を、この頃プロフィールを見直す機会があって、無性に聴き返したくなった。
「いつになれば 俺は這い上がれるだろう」という問いに対して、大人になってやっと読むようになった仏教の行者の言葉は、
「それには十年かかるか、二十年かかるかわからないけど、生涯を通してみれば、最後の帳尻がしっかりあっていれば、それが一番いいんだな。その間、上がったり下がったりするのが人生なんだから」
だった。俺はそんなに待てないよ。あと1年しか待てないよ。さようなら。