心霊の実験記ー内村鑑三『ヨブ記講演』第一講より
心霊の実験記ー内村鑑三『ヨブ記講演』(岩波書店、2014年)
特に言うことなし。実際に読めばよい。(*こう書いたが、これではあまりにも不親切だと思い、少しずつ手直しを続けていくことにする。令和元年5月1日)
気になった箇所を自分の言葉もまじえて、まとめておく。
(第一講より)ヨブ記とは
・「人は何故に艱難に会するか、殊に義者がなぜ艱難に会するか」という問題を提出している。
・教室での解答などではないことはもちろんのこと、哲学や文学のように思想上でのみ答えられたものではない。
・あくまでも実際の苦痛、煩悶を記した魂の記録である。
・思索的に読むのではなく、実験的に読め。
・文学書・思想書ではないが、数々の文学書の手本となっている。
ゲーテのファウスト、ダンテの神曲、シェークスピアのハムレット、カーライルのサアター・レサアタス、ブラウニングのイースタアデー、H.G.ウェルズの『不死の火』などに影響を与えている。
*ヨブ記は主として、苦しみを受けたヨブとそんなヨブを不審に思った友人三人との対話である。対話篇といえば、ギリシアのものしか知らなかった私だが、ヨブ記の問答がより魂を揺さぶられるものであることをこの歳になって知った。