中野剛志氏・柴山佳太氏著『グローバリズムーその先の悲劇に備えよ』(集英社新書0886、2017年)
イギリスのEU離脱、フランス大統領選でのマリー・ルペンの躍進、トランプ現象などを受けて1年以上前に購入した。
読者の参考になると思う個所は、たくさんあるのだが、誰に投票するのか考える際に役立つのが、下記の図である。
(図は本書を参考にざっくり書いた。)
「図7 英・米・仏・日の政治勢力図」
横軸:右・左翼
各国の勢力を書き写すのはしんどいから、自分で見てみてください。
この図前後の対談として重要な点は、以下の点である。
中野氏「いずれの国も、もはや伝統的な左翼/右翼の軸だけでは語れなくて、上下の対立軸こそが重要になっていますね」(90頁)。
中野氏は日本の政治勢力図について「下が弱くて、上ばかり」であると指摘している。つまり、グローバリズム志向が強くて、反グローバリズムが弱いということだ。
また英米仏との違いとして「右下は国政政党としてはない」(90頁)という指摘も重要である。「右下」というのは、反グローバリズム、かつ、保守ということだ。これが国政政党として我が国にないということは、票の受け皿がないということだ。反グローバリズム、かつ、左派は今回の参議院選挙で躍進した。
そういう状況を生きている。