洋書ー東京の文化資本① 2025.8.12(Tue)
今回の東京旅行の目的は、Jのライブを見る事。
でも、もう一つの目的は、洋書や古本をチェックすることだった。
1泊2日だから、そう多く時間を割けない。まずは新宿へ。
新宿

Jのライブの前に新宿の紀伊国屋書店本店や洋書専門のBooks kinokuniya、ディスクユニオンに行こうと計画していたが、Books kinokuniyaに立ち入った瞬間、それは難しいと思った。売り場が広いので、チェックしていたら、1時間以上は絶対に必要だと判断したからだ。なんせニトリが入っているような商業ビル(ビルにもよるが)のワンフロア分、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、中国語、台湾語、韓国語、ベトナム語などの外国語の本があるのだから!
英語、ドイツ語、フランス語を中心に棚を見て回った。この場所以外で入手しやすいものは別として、普段手に取って触れられない本の目次や字の大きさなどを確かめていった。
レクラム文庫があることは予想していたが、ロエブ(Loeb)叢書を見たのは久しぶりだった。京都の大谷大学横に至誠堂という洋書屋があったが、もう閉店したからである。(至誠堂の閉店は本当に残念、口惜しい。)
LAW(英語本)の棚を見る。欲しかった辞書があるが、10,000円以上するからパス。
ドイツ思想ではKant,Hegel、Habermasの本が多い。レクラムでMax Weberの”Die protestantische Ethik und der »Geist« des Kapitalismus”を買おうかと思ったが、2,000円台だからパス。フランス語の哲学の棚はDerridaやFoucaultの本が多い。
店全体としては、ペンギンブックスのような英語の文学作品を除けば、特にアメリカの政治学や政治史は分量が多いと感じたから、興味がある方はおすすめです。
(児童向けやヤングアダルトは、さらに店の反対側にたくさんあります。)
★今回印象に残ったのはジル・ケペル(Gilles Kepel)だ。
ジル・ケペル(Gilles Kepel)は、現代イスラーム、アラブ世界、そしてパレスチナ問題に関する鋭い分析で知られるフランスの政治社会学者であり、きわめて早い段階からイスラム主義運動に着目していた。私はその名をかつて池内恵の本で知ったのだが、エマニュエル・トッドの本の近くに"LE BOULEVERSEMENT DU MONDE" が置いてあった。日本で言う所の新書本といった感じだ。
イスラエルとパレスチナの問題(10月3日以後)を論じた書物として、タイムリーで読みたいと思った。彼の言論を参照することで日本の言論空間の応酬にはない言論に触れることができるのではないかと思ったからだ。
でも、フランス語は初級文法を学んだ程度だし、古典以外の本で、すぐに読めない本を購入することは戒めているから結局買わなかった・・。
丸善丸の内 洋書売場4F
2日目には丸善丸の内の洋書売場にも足を運んでみたが、新幹線に乗る1時間前だったので、もうあまり時間がなかった。
LAWの棚は紀伊国屋よりも充実していた。
特に充実していたのはECONOMICSの棚だ。さすが多くの日本企業の本社やグローバル企業の日本法人がある東京だと思った。
普段からこれだけの洋書に接することができる東京がうらやましい。(接することと活用できることは別としても。)
これだけの洋書売場を設けて経済的に成立している本屋がある東京が本当にうらやましいと思った。
課題
洋書売り場が定着するには、洋書を読める層が必要である。
小学校から英語教育を実施して、大学では第二外国語まで学ぶにもかかわらず、洋書の売上や需要がそれほど多いとは思えない。(統計を調べたわけではないが)
TOEICやビジネス英語など職業に関連したものか海外旅行のための英会話本ぐらいしか人気がないと思う。
ジル・ケペルのようなフランス語の原書を論じて、日本の言論空間の向上を図り、現実政治への良い循環を作りだしていくようなことはできないだろうか?
そのためには「洋書考究会」ような同好会を設立して、裾野を広げていきたい。将棋の奨励会みたいなもの。私の夢の1つである。
さらなる課題
①大阪より東京の方がすごい。でもこの程度の差でしかないのか?
たしかに洋書はたくさんあった。でもビジネス以外にも、もっともっと洋書を読める層が必要だと思う。もっと東京がんばれよ。
②東京の丸善丸の内店の洋書コーナーも良かった。でも、政治思想の洋書など、政治思想家の種類が少ないと思った。もっとバラエティーに富んでいないとだめだと思う。
