『めぞん一刻 第10巻』について-令和元年8月17日(土)晴れ
『めぞん一刻』というマンガはご存じの方が多いと思う。作者は『らんま1/2』や『うる星やつら』などの作品がある高橋留美子さん。
私の小さい頃は、アニメ化されたものの再放送(だったと思うが)がやっていて、何度も見たことがあった。TVの再放送では、同じ回が何度もやっていたりして、その後どうなったのか結末を知りたかった。
いつの頃だったか、『めぞん一刻』(小学館、1993年)の第10巻だけを購入して、読んで見たことがある。私の持っているワイド版の表紙は、「管理人さん」の音無響子さんの白無垢姿である。
上京してきた五代君の下宿先の「管理人さん」が、音無響子さんであり、物語はこの二人のラブストーリーを中心に展開される。
管理人(響子)さんは、かつて「惣一郎さん」という夫がいたのだが、病気で亡くした過去を持つ。10巻を読むかぎり、相手の実家所有のアパートを管理して生計を立てていた。夫の両親は、響子さんの将来のことも心配してくれるやさしい夫婦である。
亡くなった惣一郎さんを思い続けながらも、五代君のやさしさに惹かれていく管理人さん。でも、そんな自分が許せなくて、独特の物憂い雰囲気が続く物語。
五代君も、響子さんもお互いのことを想いながらも、なかなか近づけない。ほかにも登場する男女の織り成す人間模様が余計に二人の関係を難しくする。
五代君は、キャバレーでアルバイト(店で働く女性の子供を見てあげたりする仕事で、「部長さん」と呼ばれていた。)しながら、当時の保母試験を受け合格した。誤解、ためらい、迷い、思いが堂々めぐりする中でも一歩ずつ近づいて行き、やがて二人は結ばれる。心も身体も。
結婚が決まった。それぞれの相手の両親にも挨拶は済んだ。でも惣一郎さんの遺品を整理していると響子さんの涙が止まらない。でもそれも今の二人を結び付ける縁として生きているものだから。五代君は相手を大切にできる人だから。
結婚に至る過程や家族・親族・女性同士の会話など私にも納得できる感覚であり、深刻な話からギャグ、ギャグから深刻な話へと移り変わる物語を輪郭やさしく、でもコミカルに描き切った。
家族、友達、過去、現在、未来など、織り成す人間模様の中にいる自分。勝手気ままに生きればいいというものではない。でも、自分の気持ちも大切に、忠実に生きたい。そんな女性におすすめできる物語である。
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めぞん一刻 特製ワイド版 コミックセット (Big spirits comics) [マーケットプレイスセット]
- 作者: 高橋留美子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1992/07/01
- メディア: コミック
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