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書評を中心に自分の好きなことを詰め込んだブログ、光明を失った人生について書き残しておきます。日本でのアニマルウェルフェアの推進に賛成します。

今日借りた本ー丹羽春喜『新正統派ケインズ政策論の基礎』 令和4年7月30日(土)猛暑

今日借りた本ー丹羽春喜『新正統派ケインズ政策論の基礎』令和4年7月30日(土) 猛暑

 

大学はいい。私の好きな施設が揃っている。

食堂、購買(文具、本、電化製品)、図書館。

普段の生活はここでいいぐらいだ。

 

例えば、エレキギターのチューナーに使うボタン電池もそうだ。

CR2032のボタン電池が欲しかったが、コンビニやドラッグストアでは、2つで1セットの500円ぐらいのものしか売ってなかった。

探しに行くのも面倒だから、買おうかと思ったが、2つもいらない。

大学にいったら1つのものが200円ぐらいで売っていた。

これは便利。

 

●今日借りた本ー丹羽春喜『新正統派ケインズ政策論の基礎』(学術出版会、2006年)

丹羽春喜 氏といっても、いまの若い人には分からないだろうが、私が10代の頃には『諸君!』という雑誌に登場していた。たった1回見た限りで、読み込んでいた訳ではなかった。その時には興味がなかった。経済政策は、「純度」の低い思想に思えたからである。

でも、社会人となり、経済社会のわき役でこの社会を見ている内に、経済政策に興味を持つようになった。

 

さて著者は昭和五年生まれであり、関西学院大学出身の経済学者であり、京都産業大学などを経て、大阪学院大学の経済学部教授であったとのこと。経済政策論や比較経済体制論が専攻である。ソ連の経済についても研究があり、ケインズに関する著作も数冊ある。

 

本書は当時のR.E.ルーカスやM.フリードマンらによる「反ケインズ主義」の潮流に対して、「ケインズ的政策」を擁護しようとするものである。

 

中身は数式も使った専門論文なのであって、この年齢になっても理解できていないことが情けない。(論文の初出は、大体であるが1990年~2020年までのものである。)

 

藤井聡氏が『維新改革の正体』(平成24年産経新聞出版)で、M.フリードマンシカゴ学派を批判していたのを読んで以降、我が国におけるケインズ政策と、その擁護者らの世代交代について論じて見たかったから、丹羽氏の名前を思い出して探したのである。(丹羽氏の話はここまでなのだが・・・。)

 

*追記(R4.7.31):「ケインズ政策と、その擁護者」といってもあくまでも日本の「保守派」に限定して語っている。ケインズの入門書は、岩波新書伊東光晴氏が出しているが、彼は「リベラル」派であろう。なぜ日本の経済政策において保守派にはハイエクフリードマン系の「保守派」とケインズ系の「保守派」に別れたのかが、私の問いなのである。

●過去記事:ケインズと日本の「保守派」について

book-zazen.hatenablog.com

私の若いころは、谷沢永一氏、堺屋太一氏、日下公人氏、小室直樹氏など経済や財界に詳しい評論家が活躍していたが、当時の私は呉智英氏の影響を強く受けていたから、これらの評論家を愛読することはなかった。

 

呉智英は『読書家の新技術』の中で、祥伝社の「知的サラリーマン・シリーズ」を「俗流教養主義」と批判して、以下のように述べていた。

「このシリーズは、現在十数冊出ており、まだ継続刊行されているが、この著者たちはほぼ共通して、最近勢いを得ている保守派の知識人たち(以前から頑張っていた保守派の知識人たちではなく)である。竹村健一渡部昇一堺屋太一長谷川慶太郎日下公人谷沢永一山本七平・・・・といった面々だ。」(呉智英『読書家の新技術』朝日新聞社、1987年、45頁)

 

小室直樹氏と山本七平氏は今でも定評があるのかも知れない。ただ、当時の私には彼らが「俗流」という言葉が、刻み込まれていたのである。

 

あれから25年ぐらい経ち、経済社会の中で生計を立てて行かなければならない身としては、「俗流」であっても(丹羽氏のことではないよ)、経済に詳しい評論家も読んでみたくなった。

 

最後は全然丹羽氏に関係がない話になったが、現在日本社会に多大なインパクトを与えている藤井聡氏の経済政策論には、前史があったのではないかということを、調べてみたいのである。

 

呉智英氏の『読書家の新技術』については、以下の過去記事を参照されたい。

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