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書評を中心に自分の好きなことを詰め込んだブログ、光明を失った人生について書き残しておきます。

ジョージ・H・ナッシュ『1945年以降のアメリカにおける保守思想運動』(ISI BOOKS,1976. reprint 2017)についてー令和元年6月19日(水)

ジョージ・H・ナッシュ『1945年以降のアメリカにおける保守思想運動』(ISI BOOKS,1976. reprint 2017)についてー令和元年6月19日(水)

GEORGE H.NASH "THE CONSERVATIVE INTELLECTUAL MOVEMENT IN AMERICA SINCE 1945"(ISI BOOKS,1976. reprint 2017))

ジョージ・H・ナッシュ著『1945年以降のアメリカにおける保守思想運動』という本のことを会田弘継氏『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫、2016年。原著2008年)の中で初めて知った。

これまで通史的なアメリカの思想史といえば、副島隆彦『現代アメリカ政治思想の大研究』筑摩書房、1995年)を読んだことがあるぐらいで、あとアメリカのものと言えばロールズやサンデル、ウォルツァーの(部分参照も含め)程度であった(図書館で借りたものとしては政治学者・佐々木毅氏のものもあった)。

ナッシュ著『1945年以降のアメリカにおける保守思想運動』は思想史的な本で、タイトルの通り、アメリカの保守(conservative)思想を扱ったものである。これまで何度か書いたことがあるが、法学部周辺で習う欧米の思想(の断片)と言えば、ホッブス、ロック、ルソー、ロールズ、ドゥオーキンなどである。教員にもよるかも知れないが、法学部においては、おおむね保守派なんて論外なのであり、最初から論破されるためにいる偏狭な人々としてしか位置づけられていない敵役や悪玉としての印象が強いのである。私は当然そんな先入観を持っていなかったが、いざアメリカの保守派の著作を読もうとしても、手ごろな翻訳書を手に入れることは出来なかったのである。

会田氏らがそんな状況を変えつつあるが、私は私なりに、自分の人生行路を歩みたいので、実際に読んで見る。翻訳がないので、訳文はすべて私の訳、拙訳である。まだ冒頭しか読んでいないので、ひとまずの理解や訳であるとご理解いただきたい。内容を読んでから、変更することが多々あるし、細部まで私の英語力で訳しきれない、意味が分からないところもあることをお断りしておきたい。著作権上のこともあるから、ここに載せるのは、あくまでも読書の梗概というか、内容の概略だけである。

間違いについては、今後の私の糧として、トライ&エラーで進ませてもらう。

 

<目次>

1.リバータリアンの反乱

2.大衆への反逆

3.伝統と価値の回復

4.赤の悪夢。

➝赤禍(Nihgtmare in Red)*「赤の悪夢」では、芸がないので「黄禍論」みたいにします。

5.保守合同

6.分裂と融合:哲学的な秩序の探求

7.アメリカにおいて保守主義とは何か:現実性のある遺産への探求

8.アメリカにおいて保守主義とは何か:シュトラウス学派、ウィルモア・ケンドール、「徳の高い人々」(Virtuous People 訳注:人徳を説くような人々のことか?)

9.数年間の準備

10.ばらばらになったモノ

11.活力のあるセンターを保持できるのか?

12.保守優位:レーガンの時代とその先

13.保守主義はいずこへ? 

 

1.リバータリアンの反乱

この章では、第二次大戦前後の社会体制やその思想的意味の中から、ハイエクが『隷従への道』を刊行した意味やその影響が描かれる。ミーゼスやメンガーオーストリア学派やニスベットや若い頃のウィリアム・バックレー・ジュニアに影響を与えたとされるが、我々には馴染みのないアルバート・ジェイ・ノック(Albert Jay Nock)も登場する。