Book Zazen

書評を中心に自分の好きなことを詰め込んだブログ、光明を失った人生について書き残しておきます。

「みんなワルで、みんなタフだ。だが賢い奴はどれだけいる?」:KRS-ONEの発言についてー令和元年7月7日(日)

「みんなワルで、みんなタフだ。だが賢い奴はどれだけいる?」:KRS-ONEの発言についてー令和元年7月7日(日)

Everybody's bad, everybody's tough

But how many people are intelligent enough

KRS-ONE, "2nd Quarter--Free Throws"  from the album "I GOT NEXT"(1997))

 

拙訳:みんなワルで、 みんなタフだ

   だが賢い奴はどれだけいる?

 

 

 

 


KRS-One and Doug E. Fresh - 2nd Quarter (Def Jam Poetry) 0:50参照


Krs-one - 2Nd Quarter - Free Throws Lyrics  0:18参照

 

 

 

ジムに行くと、利用者からのリクエスト曲がかかっている。

日本語で「ラップ調」の恋愛ソングばかり。すぐ別れるかも知れない相手に永遠の愛を誓っている。「ラップ調」や「レゲエ調」で歌う理由に乏しいのに、「ラップ調」で歌っている。何なんだこれは?

 

逆に凄いラッパーも出てきている。

Youtubeで音楽を聴いていると、日本でも本物の「ギャングスタ・ラップ」が流れている。私の10代の頃は、アメリカの音楽シーンはギャングのメンバー、あるいはギャングが多い地区で育ったラッパーらがヒップホップシーンを席巻していた。近寄りがたい存在だった(そもそも日本に住んでいたから近寄る機会もなかったが・・・)。

 

「ネイバーフッド」(彼らの育ったような「近隣社会」)が荒廃し、本当に抗争に発展し、射殺されたと思われるラッパーがいて、何人も亡くなった。または収監される者もいた。だから、沈静化していった。

 

それがこの時代に入って、日本でも本格的な「ギャングスタ・ラップ」が流される。

ラップのスキルはうまい。昔の軽口たたいたような「J-RAP」なんてものとちがい本物であることは認める。ファッションセンスや武勇伝。たしかに凄いし、かっこいい。それは否定しない。

「みんなワルで、みんなタフだ」。それは間違いないし、ラップもカッコ良く仕上がっている。ジムでかかっている「ラップ調」の恋愛ソングなんてものと比べて、私の目から見てもカッコイイ。

 

だが冒頭で述べたKRS-ONEの発言のように「みんなワルで、みんなタフだ。だが賢い奴はどれだけいる?」という問題が必ず日本でも出て来るだろう。自分がワルい環境で育ったということを「地区」の名前とともに言うと、逆にその地区に偏見が持たれないだろうか?それで本当に自分の育った近隣社会が良くなるのだろうか。まあ、近隣を良くする目的のためだけにラップしている訳ではないのだろうが。やむにやまれぬ衝動があるのだろうが。

 

「だが賢い奴はどれだけいる?」という発言も、絵にかいたような反体制インテリみたいになり、「権力」を糾弾するだけの「知性」になるのだとしたら、それはあまりにも短絡的な問題解決だろう。

 

じゃあ、どうするのかと問われれば、答えはないが。自分のプラスになると思う事をやりつつ、この中をさまようしかないのだと思う。